Baka発見器
2015-10-07 06:55
Twitterは馬鹿発見器と呼ばれることが多い。私は「発見器」までいかないが「要注意発見器」をいくつか持っている。最近の若い人が使う「ぶっちゃけ」という言葉は要注意、「脳波」も要注意。そして「要注意」を少し超え「発見器」に近づいているのではないかと思うのが「シンギュラリティ」である。
まず、シンギュラリティとは何なのか。それは「人間よりはるかに知的能力の高い“超知能”ができること」だと松田卓也は言う。ではその超知能とは、いったいどれほど賢いものなのか。松田は、未来学者レイ・カーツワイルを引き合いに「全人類の知能を合わせたくらい」だと説明する。高度化された人工知能によって科学技術は爆発的に進化する、そして、結果的に人間生活が大きく変化する──ここまでが松田が定義する「シンギュラリティ」だ。
では、そのシンギュラリティが訪れるのはいつなのか。松田は再び、カーツワイルを引き合いに出す。それによると、2015年の現在を基準にしたときに「次のエポックメイキングな年」は2029年なのだと言う。
松田氏はその昔Niftyserveはなやかなりしころ、擬似科学批判をされていたので覚えている。人間は深淵を見るとき気をつけなくてはいけない。いつのまにか深淵に引きずり込まれ、同化してしまうから。そして松田氏もそうなったらしい。
この要約を読む限り彼が言っていることは、昔彼が批判していた人たちの言葉にそっくりである。そしてこういう
「なんだかわからないが重要そうな言葉」
が大好きな人がいることも知っている。半ば深刻そうに、それよりもはしゃいでこういう言葉を振り回す人には、疑似科学者と共通の特徴がある。すなわち
「何も勉強せず、他人の言葉を理解できないがゆえに積み重ねがきかず、何も生み出さない」
という特徴が。人工知能が人間を置き換えるって。すごいねえ。私の意見は以下の意見と同一である。
今日の人工知能はヒューベル&ウィーゼルによる線分の傾きに反応する細胞の発見、その後のパーセプトロン、そして80年代に第2次ニューロブームが起きて、そこでさまざまな技術開発が行なわれた。現在のGoogleそのほかによるアルゴリズムも当時に端を発しており、そんなに技術は変わってないという。50年代からの研究が積み重なっていて今日に至っているのだ。今浮かれている人たちは「甘い」、そして「学問と技術の流れを勉強していない人は危ない。もうちょっと昔をちゃんと勉強していただきたい」と警鐘を鳴らした。
引用元:【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】しなやかに人間によりそえる人工知能を ~産総研 人工知能研究センター(AIRC)始動へ - PC Watch
意図的に無知でいることは、ある種の人にとって「楽しみ」を長続きさせる秘訣らしい。その事実は疑似科学と同じくらい少し興味深く、そして大いに退屈である。