Computer帝国の興亡
2015-11-02 07:08
この本を買ったのは何年前だろう。今調べてみたらおよそ20年前だな。
実はちゃんと通して読んだことがないのだが、ちょこちょこ読むたびにその面白さにひきつけられる。文章の巧さもさることながら、取り扱っている「帝国の興亡」が興味深いというのもあるのだろう。
この本はWindows3.0が発売されたところで終わっているらしい。これでMicrosfotはOSを抑え、世界を支配したのでした、、、と誰もが思った。私も思った。しかしそうはならなかった。その帝国は思いもよらぬところから攻撃を受けたのだ。
オンラインの書店?ありきたりな話だよねと誰もが思った。(今もそう思っている人は多かろう)最初AWSの話を聞いた時「変な話だなあ」と思った。今や事態はそれどころではなくなっている。
多くのITベンダーは、長年の間大きな利益幅に依存して経営を続けてきており、それは今でも変わっていない。従来のインフラやメンテナンスに支払われてきたお金は、大変な額だ。そしてエンタープライズITベンダーは、顧客に古い製品への支払いを続けてもらうために、メンテナンスの料金を下げるのではなく、監査やその他の定常的に発生する過酷な仕事を請け負っている。
2. そこへ、利益幅が非常に小さい業界からAmazonが参入してきた。
脅威を受けるのは惰眠を貪っていたSI屋だけではない。それを倒すと思われていたGoogleや今や好意的にみてChallengerになってしまったMicrosoftも同様である。まさか「街の本屋」が巨大なインフラ企業になるとは。
先日学生さんたちと話をする機会があった。彼らが生まれたころ、日本の家電は無敵に思えた。アメリカ企業にものなどできない、と本気でそう思っていた。
日本の家電はゆるやかに上昇し、いつのまにか衰退した。それにくらべてこの「コンピュータ帝国の興亡」の面白さはどうしたことか。
いや、これはなにも今世紀に始まったことではない。20年前もコンピュータ帝国の興亡と、ASCIIについて書かれた本の格の違いには愕然とした。なぜこうなってしまうのだろう。このままなのだろうか。我が国はDeNA,グリー、サイバーエージェントをメガベンチャーとして誇ったままなのだろうか。