ORF2015にいってきたよ
2015-11-24 07:13
今年はあまり文句は書かない。私も歳をとって物事の背景を見るようになった。この展示イベントには、学会の全国大会にすらでてこない学生まで全部出しているのだ。であれば客をほったらかしお互い楽しくおしゃべりに興じる人が多いのも当たり前。質の悪い研究に文句を言うより、良いものにいくつ出会えたかを考えるべき。
とはいえ「全然人の話を聞いていない」発表に出会うとやはり疲労感をおぼえる。進化計算でもって住宅を10000個建てるとかいう研究の説明をした人は「これから評価ですから」しか言わなかった。いや、力一杯作るのはいいけど、やる前に少しはアタりをつけておかないと。ベンチャーでもそういうのが重要だということになっているよ、とか何を言っても「これから評価ですから」でおしまい。まあしかたがないね。
今年は三つも面白い展示に巡り会えた。まず「壊すことを前提にしたおもちゃ」3Dプリンタでロボット作ってあるが、とにかく壊すことが面白い、という点に着眼したもの。いくらでも工夫のしがいがあると思うんだが、小学生に遊ばせればオオウケだろうし、そこには真実が存在している。思うに私はこういう「地に足がついた着眼点」をもった研究に甘い気がする。
次は地域コミュニティの子育て支援をするためにあれこれがんばりました、というお話。実は地域コミュニティの人も皆それが必要だと考えているのだが、それが外部から大学がはいっていくことでうまくまわった、とのこと。他にも大学といろいろなコミュニティの発表はあったが、この発表にはとても地に足がついた感じがした。「お母さん同士は仲良くなるけど、お父さんはだめなんですよね」とか随分長時間話してしまいました。
三つ目は去年クマムシの話で感心したのと同じ研究室。発表内容もさることながら、説明してくれた人がとても研究が好きで一生懸命努力している姿が伝わってきた。研究室に所属している人は何十人もいるのだろうから、単なる偶然とは思うがこの研究室の発表とは相性が良い気がする。
とはいえ
徒労感を感じる発表を聞いたあとふと我に帰る。私は全く知らなかったが、関東地方では中学から受験に関する巨大なヒエラルシーが存在しているのだな。ここで発表をしている人たちは全員その中のエリートといってもいいのだろう。日能研だかSAPIXで前の方に座って、模試で高偏差値を取り、、、
その結果がこんなもんか、と改めて思う。いや、当たり前のことなんだけど、日常生活に埋没するとつい忘れちゃうんだよ。