審査すること

2015-12-02 06:44

先日某研究会の発表で賞をもらった。とてもうれしいのだが、私がこのような「賞」に縁ができたのはここ20年くらいのことである。それまでは「賞状というのは自分に縁のないものなのだ」と思っていたし、それを正当化するための理論も完璧に作り上げた。

賞といってもいろいろあるのだが、「人が選考するもの」は基本的に「審査員の世界観が反映されるもの」ということは間違いないと思う。つまり審査員の頭が歪んだ人ばかりならば、結果もそのようになる、ということだ。日本人が主催した「ベンチャー企業のコンテスト」はいつもその結果に驚愕させられる。それは「日本のベンチャー業界」という気持ち悪いソサエティが審査員を務めているからではなかろうか。もちろん受賞した人は嬉しいだろうけどね。しかしそうした「驚愕の結果」はベンチャー企業ばかりではない。

読者審査員のアンケートを参考に、『現代用語の基礎知識』編集部がノミネート語を選出。選考委員会によってトップテン、年間大賞語が選ばれる。 選考委員会は、姜尚中(東京大学名誉教授)、俵万智(歌人)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)、清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)で構成される。

引用元:ユーキャン新語・流行語大賞

この「識者」の選んだ言葉はここに再掲する意味も無いほどデタラメ、と私には思える。まあそういう世界に住んでいる人を審査員に選んだのだろう。

それよりも今はGoogle先生にお伺いをたてれば「民の声」を聞くことができる。

Google検索流行語ランキングのほうが、ユーキャン新語流行語大賞よりもしっくりくる。

1位 マイナンバー
2位 ラッスンゴレライ
3位 エンブレム
4位 ドローン
5位 北陸新幹線
6位 あったかいんだから
7位 大阪都構想
8位 火花
9位 おにぎらず
10位 モラハラ

引用元:RiverさんはTwitterを使っています

こちらにもいくつかわからない言葉があるが、「識者」の選択結果よりはるかにマシである。

話は変わる。論文の審査というのも基本的には「審査員の世界観」を反映したものになる。だからいいとか悪いとかではなく「審査員はこう考える」に過ぎない。だから落ちてもめげないようにしよう、とこのように「落ちた時」の理論武装だけは完璧。