モバイル用Windowsの歌

2015-12-25 06:51

その昔Windows CEなるOSがあった。iPhoneが発表された時バルマーが「あんな高いの売れるはずないよ」を去勢をはれたのは、当時Windows CE搭載のスマートフォンが存在していたからだ。確かに彼が言う通りその時点でMicrosoftのスマートフォンにおけるシェアはAppleを圧倒していた。(AppleはまだiPhoneを出荷していなかったから)

そのあと「今度は違う!これでiPhoneやAndroidもおしまいだ!」と銘打ったWindows phone7が登場した。話題にはなったが、そこまでだった。カーネルはCEのまま。それをNT(細かいことは聞き流してください)にしたWindows8が「今度は違う!」とでてきた。Windows phone7搭載のスマートフォンを買った人は、それがWindows Phone8にアップデートできないので愕然とした。

そうこうしている間に、スマートフォンにおけるMicrosoft OSのシェアはどんどん縮んで行った。

3度目の「今度は違う!」が遠からず発表されるらしい。今度のが7,8と違うところは、もはや空虚なものであっても熱狂が巻きおこせないことだ。

The Bad

・The feeling that Microsoft has been working so hard to get the platform ready that it hasn't really done much to make Windows 10 Mobile a better operating system
・It still doesn't quite feel fully baked
・The ever-present app gap

引用元:Windows 10 Mobile review: Windows on phones gets rebooted. Again. | Ars Technica

ナデラは明確に「MicrosoftはProductivityの会社だ」と述べている。しかし最近のMicrosoftのプレゼンテーションを何度みても「どうProductivityなの?」という感が拭えない。30年前なら、三菱重工みたいな形式を重んじる企業なら

「わが社のOSをWindowsに統一しよう!」

と言ってくれたかもしれないけどね。

私の考えでは、このWindows Mobile 10が、Microsoftが開発する最後のモバイル向けOSになる。

MicrosoftはWindowsとOfficeという2層のOSを持っている。(OfficeはOSとして扱われることは少ないが実質的にはそうだ)何も無理してWindowsを動かす必要はない。Officeが動けばいいんだ。WindowsというOSではなくMicrosoft OfficeをOSとしてiOS,Android上で普及させていくことになるんじゃないかな。でもってNokiaは再度どこかに売りにだされる。多分Lenovoあたり(あるいは他の中国メーカー)が買うんじゃないかと思う。

それはそれとして

OSの開発というのは難しいものだと思う。そしてMicrosoftのような巨艦の舵を取ることも。ナデラのMicrosoftは果たして復活するだろうか?私にはまだわからない。もちろんOffice OSはずっと残るだろうからなくなりはしない。しかし先日話題になった「クラウドストレージ削減します!」といい、このWindows Phone10といい、どこかちぐはぐな印象が拭えない。はたして彼らはこの先どこにいくのだろう。