消費税はすでに30%
2016-01-27 06:44
アメリカに出張に行き、帰ってくるといくつかの光景に違和感を覚える。その一つが「屋外に無防備に置かれている華奢な自動販売機」だ。アメリカに持って行ったら3日とたたないうちに全部盗まれることであろう。販売機ごと。
それはなんだかんだ言っても、相対的にアメリカよりは安全な日本の象徴であるようにも思う。しかしそれで物を買うことは基本的にはない。だってバカバカしいもの。
その昔一本100円だった。3%の消費税がつくというからきりのいいところで110円になった。5%にあがるときに120円になり、今や定価は130円。いつから消費税が30%になったのだ。となりのドラッグストアがあいていれば、500mlのペットボトルが88円で買えるのに。しかし売る側は維持したくてしょうがないのだそうな。
コンビニの台頭もあり、自販機の販売比率はすでに1996年ぐらいからずっと下がり続けてきました。かつて、飲料業界では不採算機を撤去しようという動きもあったのですが、自販機はたとえ販売本数が減っても利益の6割以上を稼ぐ“ドル箱”なので、既存の台数は何とか死守したい。
いい加減にしろ、この◉◉、と思わず放送禁止用語を使いたくなるようなロジックだが、これも社会のそこかしこに存在している「歪み」なのだろう。裏を返せば飲料業界というのは消費税30%に利益の6割を依存している「実はすでに死んでいる業界」なのかもしれん。
我が国のことだから変化は常にゆっくりとおこる。今や電車の中で新聞を広げる人が絶滅しかかっているように、そう遠く無い将来「安全な日本の象徴」が消える日がくるかもしれぬ。