皆を幸せにするために
2016-02-22 07:05
戦隊ヒーローに聞けば、多分「みんなの笑顔が見たいんだ」とか言うだろう。気の毒な悪の組織のしたっぱを虐殺する行為をそうやって正当化するのだ。
でもってこの話題。
最近よく考えることに、人間を強制的に幸福にするユーザーインターフェースは作れないか、という着想がある。100万ユーザー級のアプリのUI改善に何本か関わった結論として、単に使いやすいインターフェースや、KPIアゲアゲの設計とかに飽きた。
上の記事で提案されているのは、「笑う角には福来る」インタフェースであり、これも一つのやりかた。しかしなんとなく思うのは
「人間は飽きる」
である。最近ぽちぽちと「そもそも人間が満足するにはどうすればいいのか」あれこれ考えたのは仏教ではないかなと思うこともある。
煩悩は、(なかには「修行によってなくすことができる」という方もいらっしゃるのでしょうが...)普通の人間であれば、少なくとも死ぬまでは、なくしてしまうことはできません。そして、煩悩を満足させる方向にいくら行動しても、決して満足はもたらされず、結局は苦しみにつながってしまいます。なぜなら、仮に「満足」したとしても、それはほんの一瞬だけのことで、すぐに、より一層大きな貪りや怒りなどが生じてしまうからです。例えるならば、強い喉の渇きを覚えて濃い塩水を飲み干しても、さらに激しい渇きに襲われて、また塩水をがぶ飲みする...この繰り返しです。それは苦しみ以外のなにものでもありません。
ここで言っている「塩水をがぶ飲みする」の末路が清原である、とかなんとか。ザッポスのCEOは幸せについて研究し、こういう結論を得たらしい。
幸せの研究を通して僕が辿りついた結論ですが、人が幸せであるための必須条件のひとつとして、「常に前進している」ということがあると思います。だから、幸せを目的地と考えて、「ようし幸せになった。これで終わり」というのは、あり得ないと思うんですね。前進するのを止めた途端に、人は不幸せになってしまうと思うので。
この「常に前進している」と「賽の河原」は現象としては同じかもしれない。それゆえ、賽の河原で、鬼に石を蹴飛ばされている人たちは実は幸せなのかもしれない、とかなんとか。
不思議なことにあまり大声で議論されることはないが、「幸せになるためには」について考えを巡らした人は多く、定説があるわけではない。しかしそれぞれの考えに基づく情報システムがあってもいいはずだ。
「そもそも幸せになるためには」を真面目に考え、それをKPIだかKGIにする、というのは真っ当な方法のように思える。ここからいささか注意を要する記述になるのだが、私が今働いている会社は
ランキングトップとなったのは三菱商事で、第2位に住友商事、第3位にリクルートホールディングスがランクインした。そのほか、総合商社は伊藤忠商事(第8位)、三井物産(第9位)、丸紅(第17位)と、トップ20に5社がランクインする結果となった。
というランキングで12位になったのだそうな。丸紅より上。すごーい、と人事と経営者なら叫ぶところだ。我が社は
「この会社にはいってよかった」
と笑顔でいる新入社員で溢れている。それはいいことなのか?