VRは変

2016-02-25 07:14

というわけでこの写真を見よう。

バルセロナ

引用元:Facebook

目の前にディスプレイをくくりつける形式のVRはつけている人間と周りに笑いを提供してくれる。これをつけて顔を振り回している人間は客観的に見るととても変だ。すぐ隣をザッカバーグが歩いているのにも気がつかない。滑稽なのは、観客がヘッドセットを外し、舞台にザッカバーグが立っていることに気がつくと、舞台の周りに殺到し写真を撮りまくったこと。この全体像は確かに「面白い」

視覚は確かに多くの情報を伝えるが、こうもいろいろな会社がVRヘッドセットを出してくるとひねくれ者の私としては、何か違う道を通りたくもなる。

ザッカバーグはスピーチの中で「体験をシェアすること。それができるからVRに投資している」と述べている。目の前にディスプレイをくくりつけることだけが体験をシェアすることではなかろう。文章、音声で語りかけることもそうだ。

おそらく一つの問題はVRは視覚と音声をあまりにも容易に共有できてしまうため

「体験をシェアするためには、情報の編集がかかせない」

ということを忘れてしまうところにあるのではないか。平たく言えばこうだ。未だ誰もVRヘッドセットを「普通の人」が購入するに足る理由を発明した人はいない。

It's the application, stupid.

なのであり、過去の多くの失敗例が示しているとおり「そんなのは簡単な応用問題。誰かが作るよ」と言っている人間は必ず滅びる。こうした図式は1990年に初めてVRというものに私が触れたときから何も変わっていない。

というわけでどこかの天才がアプリケーションを発明するまでの間、私は目の前にディスプレイをくくりつけた人の姿をみて楽しませてもらうことにしよう。