創造の難しさ

2016-04-18 07:10

なんども痛感することだが、人が作ったものに文句をつけるのは容易い。自分でものを作るのはとてつもなく困難だ。今自分が作っているものが行き詰まっているのからいうのではないよ。

Motor Trendは大胆な賭けにでた「Apple carの姿を独占報道!」と売り出したのだ。もちろんAppleの外側でApple carが何かを知っている人間などいない。では彼らはどうしたか。

BuzzFeedのエディターは、Motor Trendの記事タイトルを「専門家が頭をつき合わせてつくった、もっとも可能性なさそうなApple Car」と、勝手に直してポストしてます。

上のポストで言及されているとおり、今回Motor Trendが発表した一連のイメージは、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインの学科長から教授、デザイナーたちを集めて議論し、つくりあげたもの。そうそうたるメンバーだったわけです。

引用元:酷評のApple Car予想デザイン。裏側にひそむ「アップル的」思想は正しかった? : ギズモード・ジャパン

要するにそうそうたるメンバーを集めて「Appleが車を作るとしたらこんなふうではないか」という絵を作ったわけだ。彼らがあれこれ議論しているビデオをみたが、真面目にやったことだけは間違いないらしい。

でもって出来がこれである。

Apple Car予想図

引用元:JALPONIK

これを笑うのは簡単だが、もう一度これを作ったのは、「そうそうたるメンバー」であり彼らは別にふざけてやったわけではない、ということに思いを馳せよう。つまりこれは難しい仕事、ということ。

仮にAppleが車を発表したとしよう。かけてもいいが

「このデザインはクソだ」

という人が世の中に山ほど出てくる。そしてこれもかけてもいいが

「ではこれを見る前に、自分がもっとよいデザインを作れるか」

と問いかけられたとき、本当にそれができる人はまずいない。今までAppleの新製品の「想像図」を作った人が多いが、それが「実物」を超えた例は私が知る限りない。

などとつらつらと書いてきて、実はこんなことは誰もわかっているのではないかとも思い出した。こうした「人が作ったものに文句をつける」というのは私のように創造の才に恵まれなかったもののせめてもの「腹いせ」ではないか、と。