健全な批判を育てるために
2016-04-12 07:02
というわけで話は昨日の続き。和をもって尊しとなすの我が国によくおこりがちな間違いというのが
「皆で手をとりあり、微笑みながら沈没する」
というもの。やさしさに包まれながら船が沈む。というわけで必要なのは
「氷山にぶつかる。舵をきれ」
と空気を読まず叫ぶこと、それを許す文化の醸成ではないかと思うのだ。
本来ならメディアがそうした役割を担うべきなのだが、彼らは独自の「ほほえみに包まれた沈没船」を作り上げていることが明白。
でもって
健全な批判を育てたいと思う。話をぐっと矮小化しよう。なぜそんなことを考えたかというと、映画「ちやはふる」のYahoo掲示板を見ていたからだ。おそらく誰かが高額の宣伝費を「口コミ」に注ぎ込もうと考えたのだろう。今までに類を見ないほど宣伝としか解釈しようのない「口コミ」が集まっている。普通の人はほとんど見ていないので、平均点は上がり放題。
いや、掲示板とはそうしたものではないか、と思われるかもしれないがやりようはあると思う。私がいつも興味深く思うのはプログラマーならみんな大好きStackoverflowの評価システムだ。SPAM的な操作を排除し、真に「役に立つ情報」が評価されるような評価システムを作り上げている。
映画評に関してあんなシステムが作れないかと思っているのだ。いや、もう存在しているんだろうか。集合知は正しいが、衆愚は間違って居る。衆愚を避け集合知を生かす方法ってまとまりつつあるのだろうか。
経済評論家でもいいのだけど、「TV局からみて使いやすい人間」にしゃべらせるんじゃなくて、「まともなこと」を言う人の意見が聞きたい、と思うのは少数派なんだろうか。