信仰をマネタイズしよう
2016-04-13 06:49
ある会社で働いていた時、新規事業のアイディアをあれこれ出した。私は「宗教をビジネス化する」ことを提案した。仮想空間に信者が集う。ごく稀に教祖が降臨する。そして信者というのは「搾取されればされるほど喜ぶ」と。
このアイディアを聞いたコンサルタントの人はおそらく真面目な信仰を持っている人だったのだろう。実に複雑な顔をした。結局そのアイディアはボツにした。
それからおよそ20年。そのアイディアはおもがけない形で世の中にでることになった(嘘です)
このゲームの変わっているのは、全プレイヤーの内プレイヤー上位100人のみが彼氏になれるというシステム。まず、好きなメンバーを選び、その推しメンと親密度が上がると彼氏の前段階の「アンダー彼氏」になれる。その後、アンダー彼氏がゲーム内で期間限定のイベントで成績を競い、上位100人のみが彼氏になれるというわけだ。つまりプレイヤー同士で争奪戦になるそうに仕組まれている。
引用元:痛いニュース(ノ∀`) : 乃木坂46のスマホゲーが鬼畜すぎると話題に 全プレイヤー中、上位100人のみが参加できるリアルイベント開催 - ライブドアブログ
このゲームを考えた人間は本当に天才だ。最近ガチャ規制がどうのという話が聞こえてくるが、そんなことなど全く問題ではない。頭の狂った小金持ち同士が、信仰心を競い札束で殴りあう。対価として得られるのは「ゲーム内彼氏」という意味のない称号と彼氏限定イベントへの参加権利。おそらくそこではペットボトルにはいった烏龍茶と、バナナ半分が振舞われるにちがいない。
このアイディアだったら、あのコンサルタント氏も同意してくれたにちがいない。ああ、もったいないことをした。
これだけリスクが少なく収益性の高いビジネスはそうあるものではない。AKBとかそういうグループのビデオを見ると、少女たちの「媚びた笑顔」をみて不愉快になる。握手とかまあ半分風俗のようなものだが、この方法なら指一本触れさせることなく大量の金を巻き上げられる。
なぜこのビジネスが成り立つのか。そして問題があるとすれば何なのかを考えることは実に興味深い。似たような「意味のない称号を手にいれるため札束で殴りあう」という図式はもっとたくさん存在しているのではなかろうか。そして現実の世界では満足を得られない人たちに、一時の偽りの幸せを与える、と抽象化すれば、類似の例をいくつも見つけられるようなきがする。
先日ある場所で
「収益とはいただいたありがとうの総和を示すもの。だから収益を上げることは、ありがとうをたくさん集めること」
というコンサルタントの言葉を聞いた。いや、コンサルはうまいこと言うなあ。