搾り取った金を海外に捨て
2016-04-19 06:52
リーマンショック・コンフィデンシャルという本を夢中になって読んでいる。リーマン崩壊の裏側で何が行われていたのか。あの時壊滅した投資銀行のトップの多くが、移民の息子だったり農園から這い上がった人だったことにも驚く。親が裕福で、ハーバード出てます、なんて人は一人もいない。
さて、読んでいて「こういうものなのか」と思うのは、お金の勘定の難しさである。悪い評判が立つと株の空売り屋が集まってどんどん株価が下がる、とリーマンは主張する。もっと大きな問題は彼らがわけのわからない商品をたくさん抱え込んでいたこと。ウォーレンバフェットが言うところの「大量破壊兵器」である。
などと読みながらこの記事を読むとまた別の感慨がある。
SPRINT'S NET DEBT VS. MARKET CAP
$31.5B vs. $13.6B
ソフトバンクが買収したSprintの負債は3.1兆円、時価総額は1.3兆円。こういう指標はいくつもあり、そもそも比べることが正しいことかどうか誰にもわからない。しかし上記の記事では2019年に有効となるアメリカ会計基準の変更により、負債は(今のまま計算したとすると)5兆円になると主張している。
「スプリントを買いたい、という他社からの問い合わせはあるか」という質問には「あまり買いたいという申し出はない。世の中の大半の人は、スプリントは大丈夫か、と思っているのではないか」と苦笑い。しかし、続けて「買いたいって話は来てないけど、売りたくはない」と強気の表情もみせていた。
引用元:迷走のスプリント事業に光 - ソフトバンク孫社長、あと2年で復活と宣言 (2) 2年後に改善の効果が見えるように | マイナビニュース
と孫氏が宣言している言葉はいささか割り引いて聞くべきなのかもしれない。彼らの財政状態は日本政府と同じようなものかもしれない。
でもって
国内では総務省と寡占3キャリアとの戦いが続いている。しかしよくもこう3社とも横並びのことをやるものだなあと感心する。なんだかんだと理屈はあるが、結局キャリア契約したときの料金が下がったなどという話はどこからも聞こえてこない。そりゃそうだ。ドコモもソフトバンクも海外に「捨てる」金が必要だから。今や日本国民は彼らのCash cowになっているのではなかろうか。