止められない止まらない
2016-04-22 07:00
私の頭にはこう聞くと「かっぱえびせん」という言葉があのメロディーとともに甦る。
いろいろな会社の興亡を野次馬としてみてきて感じることだが、無能な経営者に共通する特徴の一つに
「止められない」
というのがあると思う。
信じられないことだが、富士通もシャープも未だにスマホを作り続けている。本業が儲かって仕方がない時に、気の迷いで手をだすならわかるが倒産寸前のシャープも作っているのだ。もっと言えばシャープは「新製品」の発表にも余念がない。
シャープは4月21日、4K対応テレビやBlu-ray Discレコーダーの新ラインアップとともに、新コンセプト商品となるAQUOS専用ネットワークプレーヤー「AQUOSココロビジョンプレーヤー」を発表した。人が近づくとテレビの電源を入れ、見逃し配信などの情報を声で教えてくれるスマートなセットトップボックスだ。
引用元:おすすめ番組をささやく「AQUOSココロビジョンプレーヤー」の気になるトコロ (1/2) - ITmedia LifeStyle
テリー。10月の「苦渋の決断」を楽しみにしているよ。シャープ社員には気の毒だが、そうするべきだ。液晶担当の本当に優秀な技術者だけは採用するべきだが。
さて、親愛なる三菱自動車である。彼らは未だに軽自動車からトラックまで作っている。
それに対して三菱は、規模が小さいメーカーであるにもかかわらず、ピックアップトラックや中型SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)、小型セダンなど幅広い車種を展開しており、研究開発費用はそれぞれに薄く広く配分せざるを得ない。こう考えてくると、三菱が軽自動車に避ける研究開発費用は、実質的には競合他社の半分程度しかないかもしれない。「カネ」という実弾がなければ、いかに士気の高い軍隊といえども、勝負に勝つのは難しい。
それが「勇敢な挑戦」なのか「思考停止」なのかは今回の一件で明らか。勝ち目がない戦いをずるずる続け、「補給はないが皇軍が負けるわけがない!」と電報だけおくるのは、インパール作戦以来の日本の伝統だ。さすが親方日の丸三菱。そりゃ偽装したのは部長かもしれないけど、経営層からの理不尽なプレッシャーなしに部長が勝手に偽装するわけがない。
戦線を縮小する判断というのは経営者にしかできない。それができていないということは経営層が無能ということ。そのしわよせを
1+1=3
1+1=1
「諸君、佐藤烈兵団長は、軍命に背きコヒマ方面の戦線を放棄した。食う物がないから戦争は出来んと言って勝手に退りよった。これが皇軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…」
とかいう標語で前線に押し付けてもねえ。多くの人はすでに忘れているようだが、もし軽自動車担当の部長が燃費目標を達成できなければどうなっていたか。
RVRはグローバル展開するモデルとして高い低燃費化目標を掲げており、これを達成するため、車両の軽量化がキーとなっていた。諭旨退職となった管理職2人は、RVRの軽量化の責任者だったが、三菱自によると「目標重量を達成できないことが明らかになったにもかかわらず、重要な機関決定の場でも開発の遅れを報告しなかった」(同社執行役員)。目標としていた車両重量や燃費の目標を達成できないことが明らかになり、同社は新型車の開発スケジュール全体の見直しを余儀なくされた。
本来なら、ここで「本当のこと」を公表し、部長ではなく、経営層を刷新し、問題の根を断つべきだったのだ。しかしそれができたら三菱じゃないわね。そういうことをやらず、問題をうやむやにするからこその三菱。
そうした無能な経営者が知恵を集めても何も決まらない。PCは日本のメーカーの手にあまる製品になっている。随分前から。しかし例によってやめる、という決断をすることができない。
東芝と富士通、ソニーから独立したVAIO(バイオ、長野県安曇野市)が進めているパソコン事業の統合交渉が頓挫する公算が大きいことが15日、分かった。拠点の統廃合といったリストラ策などで折り合わず、決裂の危機に陥った。それぞれが独自に再編などに動くこともありそうだ。
とか書いていてふと思いつく。俺三菱自動車に応募したこともあったんだった。2次面接で話してくれた部長さんはいい人のように思えた。落としてくれたのは今にして思えばありがというというところか。もしあそこで岡崎で暮らし始めていたら今頃どんな人生を送っていたんだろうね。