帝国を長続きさせるには
2016-06-22 06:59
軍師官兵衛と真田丸を見ていて思うのは、「代々続く帝国を作るのは難しい」である。織田は信長で滅び、豊臣も秀吉で滅んだ。そう思うと徳川の「賢さ」は群を抜いている。
創業者というのは「俺が一番」というメンタリティを持っていることが多い。問題は長続きする帝国を作ろうと思えば「俺様を2番に蹴落とす人間」を迎え、ちゃんと席を譲れなくてはならない。これが難しい。
どこかで読んだが、そもそもA級の人を雇えるのはA級の人間だけだ。B級の人間はC級以下しか雇えない。後進に道を譲るというのは簡単だが、それをちゃんとできるのは揺るぎない自尊心を持っている人間だけである。というわけで普通の人間に起こることはこういうことだ。
孫社長は60歳の誕生日(2017年8月11日)にアローラ氏に社長の座を禅譲するつもりでいた。ところが、「ソフトバンク2.0(グローバル展開を一段と加速させる新・長期戦略)の構想を強固にし、米通信大手スプリントを真によみがえらせ、その他いくつかのクレイジーな構想を実現するにはあと5~10年は社長として率いて行く必要がある。ニケシュを待たせてはいけない。そこでニケシュと話し合った
まあ早い話60になろうが、70になろうが「俺様が1番」から降りる気はない、ということ。本当に有能な人間ならそもそも孫の言葉を最初から真に受けたりはしないだろうから、アローラにとってこれは予定の行動だったのだろうな。
かわいそうなのは、「後継者求む」とかいう宣伝文句をまともに信じてソフトバンクアカデミーに応募してきた人だ(多分何人かはそういう純粋な人がいただろう)
不思議なのだが、こういう「俺様が一番」と言えるくらいの愚鈍さをもった経営者というのは、なぜこうやすやすと「引退」を口にできるんだろうか。自分の口先以外誰もそんなことを信じていないというのに。