高齢化万歳
2016-07-01 07:03
私は中学生の頃、兵器オタクだった。松本零士の戦場漫画シリーズを読み、あれこれ本を買いあさり、というやつである。
今でも暇なときはWikipediaを読んでいられるから、そうした趣味は無駄だとは思わない。しかし戦争行為に関する嫌悪感は年をとるとともに高まってきている。中学生の頃、父が私に「空襲の記録」写真集を買ってきてくれた。その本には黒焦げになった死体の写真があった。父はその場に実際にいた人だ。兵器オタクの息子に少し釘をさす気持ちもあったんだろうか、と今にして思う。先日こんな記事を読んだ。
アーダル教授は、「単一の原因を断定することはできません」と断わったうえで、「各地域の人口の年齢構成に着目すると、平和が続く地域では『成熟』がより進んでいることがわかります」と言う。アラブ諸国に見られるように、若者が多い国により火が付きやすいということだ。「地域で起きることには、その地域の人口動態が影響するのです」
メッケルか誰かが「若者は戦争に向いている」と書いた文章を読んだことがある。その通りだと思う。年をとるにつれ「人にはそれぞれの人生がある」という当たり前のことを実感する。いつも夢想するのだ。機動戦士ガンダムには「敵側」から描かれたエピソードがあるべきではなかったか、と。
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学校出たての新兵がザクに乗る。新人なのでみんなに可愛がられる。先輩兵士との心温まるエピソードがあり、家族とのやりとりがあり。
ある日偵察任務が命じられる。尊敬する先輩と2機で出撃。偵察といってもここのところ大きな動きはないから大丈夫だろう、などと軽口をたたきながら。ふと先輩からの応答がないことに気がつく。
彼が最後に見たのは異常なスピードで接近してくる白い影だった。
アムロは帰還し、「●●方面に敵の大規模な動きはありません」とだけ報告する。
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(西部戦線異常なし、だがまあ素人の考えることはこれくらいである)
年を重ねると景気の良いスローガンには懐疑的になる。それは何も知恵がついたというわけではなく「前に騙されたことがあるから」だ。そう考えれば「高齢化」も悪いことばかりではない。