私たちが至らなかったせいです

2016-08-19 06:48

不思議なのは、なぜこの人間が会長にとどまるのか、ということ。まずこいつらを首にするところから「姿勢」を見せなくてはならんのではないかね。

益子会長はこう打ち明けた。

 「アンケートの上がり方にも問題があった。セクハラ問題や情報流出問題など、非常に多くの項目が含まれていて、いわゆる職場環境の改善の話と本当のリスクの話が一緒になって報告されていた。今後は別立てで管理することが必要だ」

 言葉を選んではいたが、要は「部下の分かりづらい報告の上げ方にも問題があった」と言っているように聞こえた。

 さらに会見で益子会長は、今後の再発防止策の一部として本部長以上の役職者にレポートを提出してもらうことを明かした。燃費不正が起きてしまったことを踏まえ、「どのように受け止めているか」「身近にあるほかのリスクは何か」「それに対して何をすべきか」などを自由記述で書いてもらい、全員と面談するという。

引用元:三菱自社員、「今回こそ変われるんですか?」 (2ページ目):日経ビジネスオンライン

この「レポートを出させる」というのは三菱自動車の伝統だったらしい。それで燃費不正も起こったのだが、会長は聞く耳を持たないようだ。

効果がないのに同じことを何度も何度も繰り返すのは精神異常と呼ばれる。「レポートを出せ」というのは早い話が

「私が悪うございました。努力が足りませんでした。これからは心を入れ替えて働きます」

と言え、と命令しているのと同義。

その根底にあるのは「俺は全く悪く無い。無能な部下が悪い」という暗黙の前提。「身近にある他のリスク」と問われて、社員の多くは「あんたが会長にとどまっていること」と答えたいだろうが、三菱に勤める人間がそんなことを書くわけが無い。というかこれくらい無神経で無能でないと三菱グループで幹部なんか務まらんのだろうなあ。

同じ会見で日産自動車出身の山下副社長がこんなことを言っていた。

 「就任して約1カ月、(開発の)従業員に個別にインタビューしたり会ったりして、5000人を超える人たちの声を聞いた。すると、『今回は本当にやれるんですか? 大丈夫なんですか?』と聞かれる。こうした声に答えないといけない」

引用元:三菱自社員、「今回こそ変われるんですか?」 (3ページ目):日経ビジネスオンライン

日産出身の副社長に、つい本音を言ってしまう社員たちの気持ちは多くのサラリーマンに手に取るようにわかることだろう。というかこの副社長、よっぽどうまく切り出したんだろうなあ。私なら相手が日産出身だろうがなんだろうが「すべて私の努力が足りなかったせいです。これからは新しいマネジメントの元、生まれ変わった気持ちで働きます」というところだが。