PDCAを高速で回しましょう

2016-08-30 07:11

とか「ほうれんそう」とかお仕事の場である人にとっては「真面目な標語」別の人にとっては「冗談」としか思えない言葉はいくつも存在する。

「KPI目標を達成するべく、全力でPDCAを回しましょう」

引用元:マーケティングはPDCAからOODAへ -シン・ゴジラも倒せる!?米軍最新式マネジメントで「任せて、勝つ」- - 電通報

誰かがこんなこと言ったら「アホか」と思うが、大人なので口にはださない。ただ私のサラリーマンとしての致命的なところはそれが顔にでてしまう、ということだ。

某出版社では、編集者に「たくさん企画書を出せ!」と命じて、それを達成すべく「月にいくつ企画書を出したか」をKPIとしました。すると編集者たちは、つまらない企画書しか出せなくなってしまいました。(P.86)
「無理な販売予算」の達成に向けて値下げを始めた会社では、少しずつ売上総利益率(=粗利率)が低下していきます。(P.87)

引用元:マーケティングはPDCAからOODAへ -シン・ゴジラも倒せる!?米軍最新式マネジメントで「任せて、勝つ」- - 電通報

人間は単純さ、明快さにひかれる。しかしそれは複雑怪奇な現実を矮小化する手段でもある。というか書きながら思うのだが、これって無能な管理職のための方法論ではなかろうか。あちらを立てればこちらが立たず。そういう状況をなんとか「よくする」というとらえどころのない問題に取り組むのがマネージャーの務めと思うが、KPIをたててそれに全力で取り組むってマネージャーの仕事放棄に等しい。

ずっと考えてまだ答えがでていないのが「なぜわが国ではそうしたマネージャーの愚鈍化が起きやすいのか」という点。

「こんなのはクソだ」

という言葉を言うことが禁じられるからなのかな。

「まあまあ、そう言わないで」

「ここはひとつ前向きに取り組むということで」