BlackでWhiteな企業
2016-09-07 06:45
やれほうれん草だの、やれPDCAだの、やれ職場のコミュニケーションがどうのという話が基本的に嫌いである。いや、それらのあれこれは悪くない。悪くないのだが、
「偉大な製品を作る」
こととの本質に触れていないと思うからだ。
庵野総監督とスタッフの誰かが対立している。僕は、その間に入ってなだめすかす役目でした。
庵野総監督はひたすらだれかの仕事を追い詰め、僕らが敷いたレールを踏みつぶしていく。「あー、レールがぺっちゃんこだよぉ……」みたいな(苦笑)。
彼は大半のスタッフを敵に回したけれど、それくらいじゃないと、この作品のレベルに達することはできない。完成した作品の出来を見て、スタッフはコロっと(味方に)ひっくり返った。ああよかった、と思いましたね。引用元:監督・特技監督を務めた樋口真嗣さんに聞く、『シン・ゴジラ』制作の裏側 (3/3) - ITmedia ビジネスオンライン
不思議なことにこうした「偉大な暴君」(石原某の部分を除く)について真面目に研究とか考察した文章を読んだことがない。ほうれん草を徹底し、職場のコミュニケーションを改善し、というのはいいことだがそれで「偉大な製品」が作れるかというとまったく関係がない。「偉大な製品」を作る助けにはなるだろうが。
監督は大半のスタッフを敵に回したという。個人個人の違いを尊重し、などという態度はこの言葉から微塵も伺えない。そしておそらく「庵野氏ね」と思っていた大半のスタッフは、シン・ゴジラという歴史に名を残す映画に関わる栄誉を得ることになる。それは「働きたい職場No1」の企業では決して得ることができないことかもしれない。
撮影中、「やっぱり庵野はすげえな」と思うこともあれば、「ああはなりたくないな」と思うこともあった。
引用元:監督・特技監督を務めた樋口真嗣さんに聞く、『シン・ゴジラ』制作の裏側 (3/3) - ITmedia ビジネスオンライン
皮肉なことに「ああはなりたくない」と思ったこの監督が作り上げたのが「進撃の巨人前後編」おそらく彼は「進撃の巨人の監督」として後世に伝えられることになる。
ほとんどの人が「偉大な製品を作ることの助けになる、あるいは邪魔にはならないかもしれない」ことしか語っていない。
それはおかしいし、まちがっている。