再生可能エネルギー利用を語るなら

2016-09-28 07:11

私は狂信的なApple原理主義者だが、かといってAppleが1+1=3といえば「それはまちがっている」と指摘する。したがってこの下にも賛同できない。

私たちは、自社オフィス、Apple Store、データセンターを含む、全世界にあるすべての自社施設で使う電力を再生可能エネルギー100パーセントにするという目標に向けて、継続的な努力を続けています。2016年1月現在、達成率は全世界で93パーセントです。米国、英国、中国、オーストラリアを含む23か国では100パーセントを達成しています。例えば中国では、40メガワットの新しいソーラーエネルギーを国営の送電網に接続し、国内の自社オフィスとApple Storeのすべてで必要な量を上回る電力を生み出しています。

引用元:環境 - 気候変動 - Apple(日本)

確かに「トータルでみれば」自分たちが使っている電力の93%を再生可能エネルギーでまかなっているのかもしれない。しかしそれは巨大な原発、火力発電所のバッファあっての話だ。「100%再生可能エネルギーで賄う」といいえば、「じゃあ普通の送電網から切り離していいんだな」と思うがそれはできない。現時点でやったらたちまち施設の稼働率がガタ落ちになる。

つまりこの物言いには控えめにいって「誤解を招く表現」が含まれている。もし本当に「100%再生可能エネルギーで賄う」と言いたいのであれば、ここまでやるべきだ。

GMはまた、夜は日光で電力を生成できない、風のないときには風力発電ができない、といった自然エネルギー特有の問題も、ハイブリッド車「VOLT」用に生産された電池を利用すれば解決できると述べている。同社はすでに、ミルフォード・プルービンググラウンド・データセンターでこれを実行している。

蓄電池は、太陽発電や風力発電を導入するカギと考えられており、ダイムラー(日本語版記事)や日産自動車(日本語版記事)などの企業はすでに、電気自動車用の電池を再生利用せずに別の目的に再利用する計画を明らかにしている。

引用元:GM「2050年までに100%再生可能エネルギー」を約束|WIRED.jp

鍵はバッテリー、もしくはそれに類する「電力貯蔵施設」にある。これがあってこそ「緊急時以外は自然エネルギーで100%電力を賄う」ことが可能になる。そう考えれば、2050年までに100%というGMの約束は現実的であり、今Appleがやっていることはそれに遠く及ばない。

というか

前にも書いたが、私はなぜAppleが自前でバッテリーの開発・製造に乗り出さないのか不思議でしょうがない。自分たちで高性能なバッテリーを開発・製造しそれを用いて自社の100%を「緊急時以外全て自然エネルギーで賄う」ことをやってこそ真の革新と思うのだが。

というか

他のところであれほど現実的な判断をしているAppleがなぜこんなバカなことを許容するのかが理解できない。幹部に電力に関心を持つ人がいないだろうか。