Apple原理主義者の憂鬱
2016-09-26 06:53
私は狂信的Apple原理主義者であることを公言している。たまに学生さんとのイベントでそんなことを話していると
「じゃあAppleの株持ってますか?」
と聞かれる。私は渋面で「いや」と答える。
思えば私が独身で自分の金を自由に使えたころApple株を買っておくべきだった。そうすれば今頃左うちわで引退できていたかもしれない。いや、そんなことよりそもそもの疑問に立ち返ろう。狂信的Apple原理主義者がApple株を持っていない。この状況をどう変えるべきか?
本当だったら今頃Appleの株を買っているはずだった。私の読みはこうだった。iPhone7はどうみてもiPhone6SSでしかない。市場はがっかりし、Appleを憎んでやまない人たち(私の反対側にいる人たちだ)は「Apple終わったな」と大合唱をし、iPhone7の予約台数は低調に終わり、Appleの株価は暴落する。その時こそApple株を買う時だと思っていたのだ。
ところが
Two more investor analyst institutions have upgrade their targets for Apple’s bottom line, as demand for iPhone 7 continues to surprise industry watchers and exceed investor expectations from earlier in the year.
引用元:Analysts upgrade AAPL financial estimates following strong demand for iPhone 7 | 9to5Mac
こんな調子である。実際にAppleの株価が上がるとか下がるとかとは関係なく、とにかく証券会社はAppleの株価見通しを引き上げている。私の予想は外れた。Appleはカメラの強化とBlack,Jet Blackの追加で少なくとも当面iPhone7の売り上げを維持して見せたのだ。
Apple原理主義者としてこれは喜ぶべき事態である。しかしApple株を保有しようとしている人間にとっては由々しき事態だ。Appleが失望を招く千載一遇のチャンスを棒に振ったわけ。これでiPhone8の「革新的」な様子が漏れ始めたら目も当てられない。
まああれだ。松永安左エ門のように「株はやらん」と割り切るべきなのかもしれない。そして学生さんに聞かれたら
「私は心のApple株をたくさんもっています」
とわけのわからない返答をしよう。