Appleの蹉跌

2016-10-18 07:26

Appleが独自の自動車を作ろうという計画は頓挫に近くなっているようだ。

Mansfield explained that he had examined the project and determined that Apple should move from building an outright competitor to Tesla Motors Inc. to an underlying self-driving platform.

引用元:How Apple Scaled Back Its Titanic Plan to Take on Detroit - Bloomberg

このプロジェクトが難航していることは何度か伝えられて来た。半分引退していたマンスフィールドを呼び戻し、検討させた結果は

「テスラの競争相手を作るのではなく、自動運転のプラットフォームを作る」

ということになったらしい。それはあたかもMac OS Coplandの開発を放棄した時のように思える。なぜここで即時中止の判断をしないかはわからないが、あるいは自動運転プラットフォームの進展に何か可能性があるのかもしれない。もしこの報道が正しいとすると、Appleにとってメインの目的は「自動運転」であり、電気自動車はそれを乗せるためのプラットフォームにすぎないのだな。

いつものことながら、ある製品とかサービスがヒットすると「成功の秘訣」というわけで、その会社のやり方は全て称揚の対象となる。しかし打率10割の会社は存在しない。必ず失敗はある。Googleの自動車プロジェクトも頓挫が伝えられている。GoogleはともかくAppleは「今更参入は無理」と言われていた携帯電話に見事に参入した実績をもっている。それが自動車への参入に失敗したのはなぜか。

いつの日か誰かがこの内幕を本にしてくれないだろうかと思う。Appleの成功物語と同じくらい、そこには学ぶべき事柄があるように想像するのだ。

そして私はまた気を長くもって自動車とそれを取り巻く環境が変化するのを待つことになる。生きているうちに、惑星トヨタが崩壊するところを見たかったが、それは叶わぬ夢かもしれない。