アンケートは何のためにするのか?

2016-11-16 06:58

多くの企業にとって、それは「現実の姿を把握する」ためではない。

「自分たちがすごいことを確認する」ために行われるものだ。

発端となったのは、Twitterユーザーの@SHADEmiyokoさんが11月10日に投稿した「昨日auショップ行ったら、アンケートの回答内容指示する紙もらったんやけど…」というツイート。問題のプリントには、後日メールで届くアンケートに対し、「大変満足(店舗の満足度)」「非常によい(スタッフの対応)」「笑顔(スタッフの良かった点)」と回答するよう、詳細な説明が書かれていました。アンケートの結果によってはKDDIから指導を受けることがあるといい、「【よい、ふつう】の評価は不合格」「必ず上記の回答でお願いします」と念を押す記述も見られました。

引用元:auショップが客に「アンケートに大変満足と回答してほしい」とプリント配布 「アンケートの意味がない」と炎上 (ねとらぼ) - Yahoo!ニュース

この話題は今の私にとって危険を孕むものだから、あくまで一般論で語ろう。

会社での会話はなんでもそうだが「相手が何を聞きたがっているか」を考え抜き、それを答えなければならない。相手が自分に自信のない人だったら

「1+1?3に決まってるじゃないですか」

と答え、「2」という正答を「教えて」もらい、「いや、これは勉強になりました」と頭をかくのが正しいサラリーマンというものである。

であるからして

気の毒な販売店の人のことを考えれば「こんな素敵な接客を受けたのは生まれて初めてです!」と答えるべき。それで大企業の偉いさんは「弊社の顧客満足度上昇中!」と自分たちの仕事のすばらしさに悦にいるし販売店の人たちも救われる。これが大人の「回答」というものだ。間違っても「ソフトバンクの商売のやり方は汚い」とか答えてはいけない。企業で出世した人は常に正しい。問題は常に最下層のマネージメントにある。結果として「接客マナーに問題がある」ことにされ、目の前で笑顔を作っている販売店の人及びその上司が責められることになる。

というかいつもアンケートを見るたび思うのだ。北朝鮮でアンケートをとれば、おそらく国連加盟国中一番「素晴らしい」結果がでるだろうな、と。

真実の姿を知るのがそんなに怖いかな?怖いよね。ただ偉い人はそれをやることで高い給料もらってんだからさ。