高い地位にバカがいるのは
2016-12-29 09:24
馬鹿が出世するのか、あるいは高い地位にいると馬鹿になるのか。いずれにせよ、これは予想された結果だった。
「昨年度に比べて会社の組織風土は改善してきたか」という問いに対して、そう思うと回答した人の割合はマネジメント層で67%だったのに対し、管理職層で51%、非管理職の役職者で38%、一般社員で30%にとどまったというのだ。
東芝は2015年に巨額の会計不正が発覚したが、経営トップが発してきた「チャレンジ」という言葉を受けて、様々な部門で利益のかさ上げが行われていた。その「組織風土」が現場に近いほど、今になっても「変わっていない」と捉えられている、ということだ。社内改革の旗を振って来た経営層と、現場との認識ギャップがあまりにも大きい事に、経営幹部の間では衝撃が走っているという。
戦争では指揮官は戦場を視察しなければならない。実際に現場で何が起きているかその目で確かめねばならない、と何かで読んだ。不思議なことに会社で「高級指揮官」になると現場を視察しなくてもいいと思うようだ。
自分たちにも過ちはあったが、もう十分に反省し改善策もうった、と安心できるメンタリティでなければ日本の大企業では出世できないようだ。三菱自動車でもリコール隠しの後に「現場が疲弊する」ほどコンプライアンス研修とかやったらしいが、そんなのは無駄。
悪いことをやっちゃいけない、ってのは誰でも分かってるんだよ(DeNAとかはそうじゃないだろうけどね)問題は
「今まで嘘をつくことで出世してきた人間が、そのまま高い地位にとどまっている」
状況において、誰が「組織風土は改善した」と思えるのか?結局今までと何も変わっていない。じゃあ今まで通り嘘をつき続けよう。事実を歪曲しよう、と思うのがサラリーマンである。企業において「正しいこと」とは上司が「正しいという」ことであり、それがコンプライアンス研修を請け負ったコンサルのいうことと整合しようが反対に位置しようがどうでもいいことだ。
このニュースで一番笑えるのは最後の一文
「社内改革の旗を振って来た経営層と、現場との認識ギャップがあまりにも大きい事に、経営幹部の間では衝撃が走っているという」
東芝の経営幹部といえば、日本を代表する一流企業で大出世した超エリート。その人たちは自分たちがやっていることが現場からどう見られているかも知らない。どうやったら人間はここまで愚かになれるのだろう。