ありがとうChris Lattner

2017-01-13 06:47

先日このニュースをみて吹っ飛びそうになった。

Teslaは自動運転の取り組みを率いる新しい副社長を獲得した。Chris Lattnerだ。そのAppleからの離職は本日(米国時間10日)の早い時間に発表されたばかりだ。LattnerはAppleで11年働いた。その主な貢献はAppleの最新のプログラミング言語であるSwiftの開発である。

引用元:TeslaがAppleのSwift開発責任者を、自動運転担当副社長として引き抜いた | TechCrunch Japan

米国企業だから、人の入れ替わりはいつものこと。この移動に関しては「そもそもラトナーは言語よりの人なのに、自動運転全体のマネージメントに向いているのか」という疑問もある。

しかしそんなことは彼自身が一番よくわかっているのだと思う。一つだけ確かなことは、私が今年のWWDCのチケットに当たったとしても、ラトナーのあのプレゼンを見ることはできない、ということ。

ラトナーは本当にうれしくてたまらない、といった様子でSwiftについて語る男だった。その彼のアナウンスに、聴衆が同じくらいの笑顔で心からの拍手を返す。ソフトウェア開発に携わるものにとって(自分でコードを書く、という意味だよ)あれほど幸せな空間はそうあるものではない。

WWDCでのプレゼンをみていつも感じることだが、しゃべる人間が皆「こんないいものを作ったんだ。ぜひ使ってくれ」という気持ちでいるのが伝わってくる。私の考えではそれをじかに感じられるのがWWDCに参加する一番の意義。

Swiftチームには彼と同じくらい情熱的に自分たちの成果を語る人がごろごろしていることは知っている。ラトナーの後任も結構キテいる。今はラトナーが新しい仕事で成功することを祈ろう。最後に彼の嫁さんのTweetを引用しておく。

Why is the wife always the last to know? I thought he was going into woodworking...

引用元:Tanya Lattnerさんのツイート: "Why is the wife always the last to know? I thought he was going into woodworking... 😜https://t.co/bI6vfGIAhu"

訳:なんで奥さんがいつも一番最後に知ることになるわけ?彼は木工の世界に行くんだと思ってたわ。

ラトナーの嫁さんは"LLVM Foundation President and compiler engineer"であり、ラトナーは見事な木製家具の作り手でもある。