全てはお客様のため
2017-03-28 07:22
理由があって、楽天カードを持っている。先日こんな案内が届いた。
要するに「お客様のため、後から”安心に"リボ払いに変更しましょう!」というお知らせである。
リボ払いというのは、それと知らせずに高額の利子をふんだくる、カード会社にとっては誠に結構な仕組みである。それゆえ彼らは積極的にお客様に知らせてくる。確かにこのメールで嘘は言っていない。
「簡単!にリボ払いに変えられます!」
「リボ払いに変えたいと思った時に”便利”です」
「”安心”してリボ払いに変えられます!」
そして楽天にいつのまにか借金を背負うことになり、高い利子を払います!
楽天はいま勤めている会社の大株主でもあるから何かと難しいところではあるのだが、一度楽天が高々と掲げている「楽天グループ企業倫理憲章」とこのリボ払いのススメがどう関係するのは聞いてみたい気はする。
お客さまの満足の最大化を図ります
私たちは、常にお客さまの視点に立ち、お客さまの満足の最大化を図ります。お客さまに喜ばれるサービスを提供することが社会への貢献につながり、楽天グループの企業価値向上の「大義名分」となります。
フェアに行動します
私たちは、事業基盤であるインターネットの本質がフェアな点にあると捉え、全ての消費者や事業者がその機会を最大限活用できるように、私たち自身のあらゆる事業活動において、フェアに行動します。このため、公正な競争を尊重し、サービス利用者の判断に資する適切な情報伝達を行います。また、職務に公私のけじめをつけ、利益相反行為を回避し、贈収賄に関与しません。
前掲のメールの中にさらりと書いてある「5000円〜+リボ手数料」という言葉は私のような情弱を騙すためのさりげない通知。こういうことをやっておいて「サービス利用者の判断に資する適切な情報伝達を行います」とか「いやー、楽天さんすごいなー」としか言いようがない。
リボ払いなんて、「その場しのぎ」のピンチに使うだけの支払方法です。
多用すれば、支払いが追いつかず、借金は減らないまま、いつまでも支払い続けます。
基本的には、リボ払いは「サラ金の支払方法」と同じです。
カード会社はリボ払いを勧めていますが、まんまと罠にハマっているわけです。
支払いが追いつかない=支払いが終わらない=いつまでも利息手数料がカード会社に入る、です。引用元:楽天カードリボ払いの包括信用購入あつせん手数料とは - その他(お金・保険・資産運用) 解決済 | 教えて!goo
こういう行動は、日本のインターネット関連企業ではデフォルトのようだ。よそもやっているから、これくらい、ということなのだろう。LINEモバイルの社長もこう答えている。
―― それでいうと、自分もLINEモバイルを契約していますが、キャンペーン情報が公式アカウントに送られてきます。あれは正直……。
嘉戸氏 (筆者の質問にかぶせつつ)それは、変えようとしています! 開発はそれなりに入れないといけないので、少し時間はかかりますが。ただ、追加でお買い上げいただく方と、契約しているからもういらないという方がいて、振り分けが難しいんです。ここは本当に悩ましい。どのくらい開発を入れるかにもよりますが、アンケートを取るかどうか。引用元:本格展開を開始した「LINEモバイル」 嘉戸社長が語る“ユーザー目線”の戦略 (2/4) - ITmedia Mobile
お客様のため、お得な「キャンペーン情報」をお届けしておりますが、ご意見もいただいております。問題は認識していますが、改善には時間がかかります、というのはDeNAでも散々聞かされた言い訳。キャンペーンのお知らせをオプトインにするだけで開発工数もいらず簡単に解決するのだが、当然そんなことは考えない。なぜなら「お客様のためのお得なキャンペーン情報」なので。しかしLINEモバイル契約すると強制的にSPAMメッセージを送られるってのは悪夢に近い。というか私からするとそもそもLINEモバイルと契約する、というところからして信じられないが。
考えてみれば、Amazonからこういう類の「お得情報」は滅多にもらわない気がする。何かと非難されがちな「プライム会員」も日本企業のこうしたやり方に比べれば笑い話で済ませられるレベル。かくして日本国にろくに税金を払わないAmazonはますます反映し、楽天は没落する。嗚呼。