銀の匙
2017-03-15 06:47
周知の事実だが、ラ・ラ・ランドの主役にはエマ・ストーンではなく、エマ・ワトソンが挙げられていた。彼女自身こう語っている。
「以前にも話したけど、簡単に引き受けられる映画じゃなかった。乗馬やダンス、3カ月の歌のトレーニングを控えてて、ロンドンにいなければならなかった。急にやれる映画じゃなかったの。やるべきことがあって、いるべき場所にいる必要があったから、スケジュールの関係でラ・ラ・ランドを引き受けるのは無理だった。でも今、ミュージカルがすごく評価されててうれしい。ラ・ラ・ランドは素晴らしくて美しい映画だと思う」
そしてこれは誰もが同意してくれると思うが、エマ・ワトソンが降りたのは世界にとって幸運だった。
少なくともハリーポッターの時の彼女はとんでもない大根だったが、それは改善されたと想定しよう。(実はあれ以来彼女をみていない)問題は彼女は子役として成功してしまったことにある。
オーディションを受けるため、廊下にずらっとならぶ女性たち。みな役柄と同じ格好をしている。そこでセリフを一言言うと
Thanks for coming
と言われてしまう。実際にそんな体験をしたことがなくても、演じるのが役者というものだがエマ・ストーンの
I've been there many times.
という言葉はとても重く感じられる。
銀の匙を咥えて生まれて来たエマ・ワトソンにあの役ができたとは思えない。もっと言えば彼女は美人すぎる。変な顔とチャーミングな顔の両方を演じてみせるエマ・ストーンのような芸は無理。
というわけで傑作は多くの不運とそれがもたらした幸運から生まれる、というお話。ああ、誰か石原某をシン・ゴジラから取り除いてくれるものはいなかったのかって話はまたここに戻ってくる。