天皇なき大日本帝国

2017-04-12 07:50

最近こんな文章を読んだ。

大本営の判断はすでに常識を超越していました。沿岸部に集めた部隊はすぐにやられるだろう。そうしたら、間髪入れずに後続の部隊が押し寄せる。それもすぐにやられるだろう。次の部隊が押し寄せる。それらもすぐにやられる(繰り返し)。なんと、こんなものがトップの考えだったのです。いや、マジで。

引用元:nosさんのツイート

どこかで「すでに日本への直接進行計画は棚上げになっていた」とか読んだ気がする。しかし仮に連合軍の本土上陸がなかったとしても、昭和天皇が終戦の決断をしなければ、こういう考えを真面目に主張する人たちによって戦争はダラダラと続いていた可能性が高い。誰もが

「こんなことはダメだ」

と思いながら、誰もそれを言い出せない。そして誰もが不幸になる。文字にすると頭がおかしいとしか思えないが、それは現実に起こることである。

東芝の現状

引用元:銀髪推進派(未監査)さんのTweet

東芝が監査法人の意見不表明付きの決算報告を発表した。

監査人が「意見不表明」の報告書を提出するのは、財務諸表に対する意見表明ができないほど、会計記録が不十分であったり、監査証拠が入手困難である場合に限られている。この監査報告がなされると、「不適正意見」と同様に「その決算書は信用できない」ということになり、上場会社は上場廃止基準に抵触することになる。

引用元:分かりやすい「会計・監査用語解説集」:意見不表明 | 日本公認会計士協会

もはや東芝の上場廃止は、1945年時点での日本の敗戦と同じくらい確実なのだろう。

「東芝とWHは海外原子力事業の買収に伴う損失の調査を真摯に実施した。60万通のメールの確認、役員や従業員へのヒアリングを実施した。調査の過程で一部経営者から不適切なプレッシャーとみなされた言動はあったが、財務諸表への影響はなかった。我々とWHの内部統制は有効に機能している」

引用元:「内部統制は有効」、開き直った東芝決算 (2ページ目):日経ビジネスオンライン

しかし東芝の大本営は未だ「帝国陸軍は負けていない」と「本土決戦」を叫んでやまない。彼らが「サラリーマンとしての職業意識上そう叫ばざるを得ない」のか「完全に頭が狂っているのか」はわからない。おそらく両方の人間がいるのだろう。旧帝国陸軍にも畑中少佐のように狂った人間と、そうでない人間がいたように。

あーだこーだと理屈をつけながら、東芝は現実と向き合うのを先延ばしにしているように思える。「明日やる」「今日忙しいから」と夏休みの宿題を先延ばしにしている小学生とやっていることはかわりない。個人レベルではとってもよくやる行為も多くの人の生活がかかる会社の経営となると「しかたないねえ」で見過ごすことなどできない。

しかし

ほとんどの人間、企業にとって現実を認めることはこれほどまでに難しいことなのだろう。彼らはまた一月余りの「結論先送り」に成功した。想像だが、おそらく東芝の取締役は部下に

「なんとかしろ!」

と怒鳴り散らしているのではないかな。もうそういう人間しか残っていないのだろう。