2-3%のユーザのために

2017-04-05 07:58

2013年のWWDCでMac Proが発表された時、私はその場所にいた。最初何が発表されたかわからなかった。なんだか小さな円柱がでてきたけど、これがMac Proじゃないよね。

しかしその後の説明を聞き、Appleの明確なコンセプトに驚いた。CPUとGPUだけを内蔵し、外部記憶はすべてサンダーボルト2に頼る(シラーは間違ってFireWireと言っていたが)そして本体は限りなくコンパクト。私が独身だったら購入していたかもしれない。

しかし不幸にしてその「大胆なやり方」は裏目にでた。Mac Proは小さなGPUを二つ搭載しているが、世の中は大きなGPU一つが主流。またCPUのアップグレードもできない。

そもそもMac Proのユーザは一桁しかいないようだ。

Apple declined to describe the Mac Pro’s share of all Mac sales any more specifically than “a single-digit percent”, but my gut feeling is that the single digit is a lot closer to 1 than it is to 9.

引用元:Daring Fireball: The Mac Pro Lives

普通に考えれば「ユーザは少ない。今後成長する見込みもない。Mac Proは廃止する」と考えるところだが、Appleは逆の道を行った。来年のどこかの時点で、全く新しいMac Proを発表するとアナウンスしたのだ。

One of the good things, hopefully, with Apple through the years has been a willingness to say when something isn’t quite what we wanted it to be, didn’t live up to expectations, to not be afraid to admit it and look for the next answer.

引用元:Daring Fireball: The Mac Pro Lives

これはシラーの言葉である。彼らは大胆な道をとったが、それが間違っていたことを認め、そして新しい道を探すと言っている。これには驚いた。

Proユーザの間でも大多数はMac Book Proを使い、次にiMacを使うとのこと。なのに彼らは新しいMac Proを作ろうとしている。モジュラー式でCPU,GPUの交換が可能。発熱が大きくなっても耐えられるようなシステムを。

日本の家電メーカー式に考えれば

「MacはiPHoneに比べ売り上げも少ないし、ユーザも減っている。どこかで中華のOEM/ODMにしよう」

と考えるところ。

いつの日かiPhone/iPadがMacを置き換えるという議論はずっと存在している。私はXCodeが存在する限りMacユーザであり続けるが(あるいはiPadにXCodeがのっても頑なにMacを使い続けるかもしれない。狂信者とはそうしたものだ)AppleがMacにコミットしていることを明確にした今回のインタビューは実に心強い。

というわけで

14インチMac Bookを出してくれ。それがダメならMacBookのキーボードを改良し、USB Type-Cをもう一つ増やしてくれ。私のLate 2010Mac Book Airはご機嫌に動いているが、次のmacosが走るかどうか心許ないのだよ。

今年は残念ながらWWDCに行くことができない。行けたとしてもあの場所でのアナウンスはないだろうが、あの熱気に触れることができない。いや、いいんだ。狂信者はこれくらいでへこたれはしない。新しいMacのニュースをずっと待ち続けることにしよう。