5月の瞬殺

2017-05-12 07:41

ウォーターゲート事件は、かすかに記憶に残っている。とはいえそれが何だったかを知ったのはここ数年のことである。当時4−5年生だったはずだが小学生なんてそんなもんだね。

さて

ウォーターゲート事件は日本では最後の「弾劾可決か?」という頃にならないと大きなニュースにならななかったのだろうと推測する。しかしひょっとするとだが、我々はそれクラスの大きなスキャンダルの入り口を目にしているのかもしれない。

<トランプ政権が突如コミー長官を解任したその裏には、「ロシア疑惑」に関して切羽詰まった事情があるとしか考えられない>

引用元:FBIコミー長官解任劇の奇々怪々 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

FBIの長官がいきなり解任された。彼はオバマ政権時に任命された人で、大統領選直前にヒラリーのメール問題について捜査の再開を決めた人でもある。彼なしにはトランプ大統領は誕生しなかったかもしれない。

というわけで彼は引き続きFBIの長官になった。任期は10年。それがいきなり解任である。そもそも彼が気に入らないのなら政権移行時に解任すればよいのだが。かくて

Why? Why now?

という二つの疑問が誰の頭にも過ぎることになる。

大統領による電撃的な解任というと、土曜日の夜の虐殺が頭をよぎる人もいるだろう。かくしてRichard Nixon LibaryはこんなTweetをする。

FUN FACT: President Nixon never fired the Director of the FBI #FBIDirector #notNixonian

引用元:RichardNixonLibraryさんのツイート

確かにその通りだ。そもそも大統領によるFBI長官の解任は24年前、ヒラリーの旦那によって行われただけで、他に類がない。あのNixonですらそんなことはしていない。なのになぜトランプはここで突然FBIを解任したのか。

Trump政権はこの件に関してむにょむにょわけのわからないことを言っている。しかし仮に特別検査官が任命され大統領選へのロシアの関与を調査することになると、影響がどこまで及ぶのかは誰にもわからない。

トランプはなぜこのような「疑惑を自ら証明する」ような行動をとったのか。彼が底抜けに愚かなのは誰が知っているがそれほど馬鹿なのか。いずれにせよ"Just because he did not do a good job"という言い訳で騙されるのはトランプ信者(驚くべきことに米国民のかなりの数をしめるが)だけだろう。唯一なしうる合理的な解釈は(トランプ相手に合理的な推論をするのが適当かどうかは別として)そういうリスクをとってまでもFBI長官を解任しないと困る事情がトランプにあった、というもの。

トランプは火消しに成功するだろうか?それともアメリカは大好きな「正義」を貫けるだろうか?