Techcrunchの蹉跌
2017-05-15 07:01
私のRSSリーダーでは結構入れ替えが起こる。Engadget日本語版は外したまま復活する兆しがない。Techcrunchは一旦外したが最近復活した。Engadetよりは「マシ」と思えるからだ。
「あやしい」「主張がおかしい」「中身がない」と主観的に判断したとき、そのノーの判断が偽陽性の可能性も当然あるけどスルーすることが多い。メディアはレピュテーション商売なので一定以上のリスクは取れない。だからUPQは1度も取り上げてない
そうした私の判断はいいとして、こうやってドヤ顏で主張されるとこの件についてコメントが欲しくなるところだ。
実は去年のTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルでは、Ringのログバーを優勝とすることについて審査員の間で意見が割れた。応用の幅が広そうで独自性が高いという意味では、「目線が高い」野心的なプロダクトだけれども、端的に言って「風呂敷を広げただけちゃうの?」という意見もあった。美麗な動画で可能性を語り、ごくシンプルな電灯のオン・オフのデモを1つやったのはいいけれど、結局使い物になるプロダクトを本当に実現できるのかどうか疑わしいのではないか、という懐疑的な意見があったのだ。ハードウェア系のスタートアップの人たちに意見を求めてみても、入手可能なバッテリや通信モジュールのサイズや性能から言って「指輪サイズ」は、かなり無理があるのではないか、という話もあった。
この辺のことをログバー創業者の吉田卓郎氏にステージ裏で聞いたところ、むしろ何故デバイスの実現性に疑問を持たれるのか分からないという回答だった。引用元:指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」がKickstarterでキャンペーン開始、2014年7月出荷予定 | TechCrunch Japan
指につけるメリケンサックを開発したログバーを優勝させたのはなんらかの商売の一環と思っていた。しかし編集長の言葉を信じるとすれば、それは「汚い取引」ではなく「途方もなく愚か」だったということになる。前掲の引用部分のあとは、ログバー社長の妄想をそのままコピペしておいて「UPQは怪しいと思ってました!」とドヤ顏で言われてもねえ。
さて、そのログバーだがこの企業も不思議なもので、さっぱりものが売れている気配がないのに求人募集だけは元気に行っているし倒産する気配もない。UPQが行なっていた商売をするためには億単位の資金の裏付けが必要、というのは誰かが検証していた。その金の出所はDMMだが、ログバーにはどこから誰が金を出しているんだろうね?
自分たちの資金であれば、勝手に使い方を決めてもらえばよい。しかし願わくばもう少しましな企業に投資ができないものだろうか?