Saya Virtual Human Projects
2017-06-27 07:12
6/23に聞いたもう一つの講演はVirtual Human Sayaを作った夫婦のものだった。
引用元:Sharp Blog
この写真はソーシャルメディアで以前に目にしていた。そして「人の顔を作ることはなんと難しいのだろう」と思った。不気味の谷を超えた、とはしゃぐのは自由だが、このCG画像が示しているのは「進歩」よりも「困難さ」だと思う。
まず第一に顔の造形が不自然だ。100%CGで作られた顔を見るたびいつも思う。なぜ人間の顔はこうも難しいのか。Sayaの顔もいかにも「がんばって作りました」でしかない。さらに髪の毛というのはCGで再現しようとするものにとって悪夢としかいいようがない。講演の最中、前に座った女性の髪型をじっと見つめる。なんという複雑さだ。おまけにこれが一本一本それぞれの物理法則とお互いの干渉によって動くのだ。
講演を聞けば、この作品についてお話しはたくさんいただいているとのこと。しかし彼と彼女たちは自分たちの貯金を取り崩しながら制作を続けているという。「お話をいただく」ことと「それで生計を立てる」ことの間には深くて広い溝がある。
友香:アセットとしては2017年の春には完成させる予定です。そこからはビジネスにつなげていくための活動を行なっていきたいですね。生活の糧を得なければならないので(笑)。
引用元:「アーティストとしての本分をまっとうしたい。」バーチャルヒューマンプロジェクト『Saya』、中核メンバーたちが思いの丈を語り合った。 (CGWORLD.jp) - Yahoo!ニュース
DMMもUPQなんかに大金を捨てているのだったら、こういう活動を支援すればいいと思うのだが。こういうのは偉い人の趣味で決まってしまうのでなんともならない。
あと夫婦の講演スタイルについて。
彼と彼女はひたすら手元にある原稿を読んでいた。その言葉は淀みなく、かつ「失点が少ないように」と考えられたものだったが全く私の心には響かなかった。もっと聴衆の目を見て、むき出しの本音を語ってもらえたほうが、聴衆としては興味深いものになったと思うのだが。