80's and 90's

2017-06-15 07:27

今では信じられないことだが、1980年代から90年代にかけて、日本の家電メーカーは「無敵」に思えた。そのころアメリカにいき、アメリカの会社が家電を作っていないことに驚いた。どっかでみたような製品だなと思ったら日本のOEMだったり。

確かにAppleは存在していたし、私は当時からApple原理主義者だった。なぜこんなことを書き出したかといえば、このスケッチをみたから。

ApplePhone

引用元:What Apple Thought the iPhone Might Look Like in 1995

これはAppleがMacWorld誌に掲載した「データ通信とビデオ通話が可能なNewton」の図である。(Appleがこのような概念図を発表することすら今では考えられないが)

確かにその頃のAppleはこういうものを作っていた。そしてこれを見るたび「確かにかっこいいけど、日本のメーカーならもっといいものができる」と思っていた。そして日本のメーカーならこういう「複数のデバイスを足し合わせたデバイス」を作っただろうなと思う。確かキャノンがFAXとPCと何かを足したような奇妙なものを作っていたように記憶している。

この12年後、Appleが実際に発表した携帯電話がどんなものだったかは誰もが知っている。なぜならその基本コンセプトは全く変わらず今日に生きているからだ。そしてその姿はこの

「複数のデバイスを足してみました」

からは程遠い。ハードウェアのキーボード、スタイラス、拡張記憶を全部捨てシンプルな一枚板である。なぜこんなものを作ることができるのか。

この想像図が描かれてから二十年。日本の家電メーカーは見る影もない。栄枯盛衰は世の習い。少なくとも80-90年代の私はアメリカの企業がこんなもの(iPhoneのことだ)を作るなんて夢想だにしなかった。

であれば、いつの日か日本からこうした「顎が外れるような新製品」がでる可能性だってないとは言えない。