日本のスポーツビジネス
2017-09-11 07:14
日本のスポーツビジネスのやり方はここ数十年全く変わらない。それどころかその起源を大本営発表に求めることができるかもしれない。
U-18野球日本代表には歴代屈指の世代最強のメンバーが集結し、悲願の初優勝の期待が高まるが、その前にはアメリカ・キューバ、アジアでは韓国やチャイニーズ・タイペイがそびえ立つ。
「今回のメンバーで目立つのは、超高校級の強打者がズラリと名を連ねていることです。今年の高校野球界の傾向である“打高投低”を反映し、とにかく打力の強い選手をそろえたイメージがあります」(スポーツ紙記者)
となればいやがおうにも期待が高まるというものである。さて結果はどうだったか。
「光が入って……。サングラスでカバーしているが慣れない。日本の球場とは形態(球場の向き)が違う。かわいそうなところはある」とかばったが、「言い訳になるので」と、現実を受け止めるしかない。カナダも同じ条件も「ホームアドバンテージ」が勝敗を分けたかもしれない。
引用元:【侍ジャパンU-18戦記(12)】ミスで負けても前向きな姿勢で (週刊ベースボールONLINE) - Yahoo!ニュース
日本の野球というのは敗戦のときも言い訳まで含めての芸なのではないかと思われる。3位決定戦ではカナダに勝ったのだが、この時は負けた。このカナダという国の高校生がどういう練習をしているか。
カナダでは野球はマイナースポーツ。物好きが週に2回練習するだけ。それで頭を丸坊主にし、朝から晩まで、年がら年中野球しかしていない日本の高校生に1勝1敗である。カナダでは日本のようにスパルタ式で鍛えようとはしない。
練習時間も少なく、週に2回あるぐらいだ。
それでも、大リーグには日本人選手と同じくらいの数の選手がプレーしてる。
ちなみに日本期待の「超高校生クラスがずらりとそろった打線」は最終試合以外では全く機能しなかったらしい。なぜか有名な首相清宮選手の最終的な打率は.219。1大会で6本ホームランを打った中村という人の打率は.120。週2回しか練習しないカナダ相手に9打数2安打である。
こうなると、「野球」というのはBaseballと別物なのではないか、という疑念がますます強くなる。あるいはここに
「やたら長時間残業するけれど成果はさっぱりあがらない日本企業」
の姿を重ねるのも面白いかもしれない。
しかしビジネスとしてはそんな実力などどうでもいい。とにかく話題にすれば金が儲かる。かくして「大勝利疑いなし!」と事前にこんな番組を企画する。
この結果をもって「日本人にBaseballは向かない」と結論づけるのは間違いだろう。20年くらい前、まさか日本人が100m走で10秒を切るとは夢にも思わなかったし、400mリレーで決勝にでるなど想像もしなかった。一時は水泳も「日本記録で予選落ち」の連続だったように記憶している。大阪・ABCテレビが18日午前9時55分から「密着!U18侍ジャパン~世界に嵐を巻き起こせ!」(関西ローカル)を放送する。嵐の相葉雅紀(34)をナビゲーター、ナレーション担当に据え、今夏の戦いをダイジェストで振り返る。また早実高・清宮幸太郎内野手(3年)=早実=、広陵高・中村奨成捕手(3年)=広陵=の独占インタビューや、西武・森、楽天・松井裕が高校ジャパン時代の思い出を語る。
自らを過ちを素直に見つめ、それに対峙することができれば道はないとも限らない。しかし野球という国技に根付いた「無敵皇軍神話」は未だに廃れそうにもない。東京オリンピックではまた野球をやるらしいので、楽しみにしている。今回の一件で腰がひけるなんてことはまずないだろうし。