なぜ英語で教育するのか
2017-09-08 07:34
公用語を英語にした私が勤務している会社の大株主のことは棚にあげる。
先日こんな記事を読んだ。
私の目標は次の5年から10年の間、日本で過ごしながらベースボールアカデミーを設立することです。英語で子供や指導者を指導するベースボールアカデミーです。子供への指導も、コーチ教育も英語です。
引用元:日本野球の「レベルダウン」に警鐘 クロマティがアカデミー設立を目指すワケ (Full-Count) - Yahoo!ニュース
なぜ指導に英語を使うのか?クロマティ氏はこの記事で述べていない。なので勝手に想像してみよう。
彼は意識してかしないでかわからないが、サピア=ウォーフの仮説を考えているのではないかと思う。
我々の思考方法は、用いる言語によって影響を受ける。日本でなく、英語で話すことによるメリットをあげよう。まず敬語がなくなる。この時点で理不尽な「身分の上下」がなくなる。お互いが同じ立場で議論をすることが可能になる。コーチが理不尽なことを言えば「なぜそんなことをするのか」と質問することが可能になる。
私が知る限り、英語には「先輩、後輩」という言葉がない。(某英語学校の教師は使っていた。それが彼にとって都合がいい言葉だったんだろう)先輩だからといって後輩に理不尽な作業を押し付けることはできない。コーチは選手に命ずるとともに納得させねばならない。
「うん。そうできたらいいと思うんだけどね」
という謎の日本語を英語にすると全く意味をなさなくなる。それを実行しない理由が欠落するからだ。Why? I don't understand.ということができる。
もちろん人間の世界の話だからこうした理不尽さが全て解消するなんてことはない。しかし少なくとも緩和はされる。そしてご存知の通りBaseballではなく日本の野球はそうした
「理不尽な制約」
の塊である。
私はテレビなどで日本のプロフェッショナルの野球のレベルを見ていてがっかりしています。レベルダウンしています。野球に対する関心、ファンの熱意は健在です。しかし、競技面でのレベルは少し落ちてますね。進化という部分というか、メンタル面の部分なのか、日本の野球はワンパターンと言ってもいいかもしれません。
引用元:日本野球の「レベルダウン」に警鐘 クロマティがアカデミー設立を目指すワケ (Full-Count) - Yahoo!ニュース
おそらく彼は分かっているのだと思う。そうした「様式に適合すること」が日本語に必要とされるものだということを。日本の野球はそもそも世界で戦うことを意識していない。お互いに様式美を競うプロレスのようなもの。国際試合を結果をみれば、少年時代を野球だけにつぎ込んだ人間が「うん。野球楽しいよね」の人間に全く歯が立たないことはすぐわかる。おそらくつぎ込んだ時間は外国選手の比ではないと思うのだが。
そう考えれば
野球を外から眺め、Baseballと比較しその弱さと非効率さを語ることは日本の産業がかくも衰退している理由を解明するヒントになるのではなかろうか。
私はクロマティ氏のチャレンジに期待したい。英語で、楽しみながら勉強をしながらBaseballをする選手が増え、TVでは放映されない甲子園で少年野球兵を蹴散らすところが見たい。あるいは直接海外で活躍するところを。