日本のWebサービス
2017-11-30 07:41
ニコニコ動画というサービスが存在する。かつては毎日のように見て驚き楽しんでいたものだが、ここ数年ご無沙汰。そう思うのは私だけではないらしく、有料会員数の大幅な減少が先日報道されていた。理由はいろいろある。先日ある将棋の中継をみようとして驚いた。その動画にたどり着く方法がわからなかったのだ。それはもちろん私がITリテラシーの低い老人だからだが。
先ほど久しぶりにボーカロイドの曲を視聴した。これでもかとばかりに「プレミア会員に登録するといいことありますよ!」と表示される宣伝。それはあたかも「Tポイントカードはよろしかったですか」と聞き続けるコンビニのよう。随所に表示される広告。肝心な動画は小さいまま。つまりこれは典型的な
「KPI重視の日本のWebサービス」
なのである。
一方で、中継していたニコニコ生放送における視聴者からのコメント、発表会で来場していたユーザーからの質疑応答では厳しい意見が飛び交っていた。
近年ではさまざまな動画ストリーミングサイトが立ち上がり、高機能や多様なサービスを展開している一方で、niconicoが指摘されている問題として、画質の低さや映像がスムーズに見られないこと、また有料会員であるプレミアム会員のメリットの薄さがあり
一番基本の不満を解消せずマーケティング用語を振りかざしながら姑息な機能追加を繰り返す。これは日本の大企業がずっとずっと繰り返していたこと。つまりドワンゴという会社は日本の伝統的企業の血を受け継いでいるのである。
サイトのデザインすら、10年前から何も変わっていない。(広告が増えた分悪くなっているが)仕事で日米のサイトを比較してみることが多い。日本のサイトの際立った特徴というのが
「変化を拒絶していること」
である。15年前は日本のサイトもアメリカのサイトも同じような作りだった。アメリカのサイトは変化した。日本のそれは変化しない。
そしてだんだん衰退していく。おそらく多くの日本の家電メーカーにも同じようなことが起こったに違いない。
だからニコニコ動画の衰退は、なぜ日本の企業が失敗したかの縮図になっている。MBAとかで教えるといいのではなかろうか。