たらぬたらぬは工夫が足らぬ
2017-11-27 07:19
いろいろな会社で、いろいろな偽装が明らかになっている。シン・ゴジラでは「日本の力は現場にある」と演説していた。つまるところ現場力とは
「現実と妄想の接点である現場で工夫をこらしなんとかする」
ことではなかろうか。偉い人は「お前らなんとかしろ」というだけである。
ただ一方で、こうした経営方針と企業文化が逆に「与えられた人員を前提に、現場でやりくりしなければならない」、「現場は創意工夫をこらして目標を達成するだろう」という副作用を生んだとすれば本末転倒だ。いや、生んでしまったのだ。
日産は再教育、管理強化、再徹底などさまざまな再発防止策を公表した。引用元:日産の無資格検査で正すべきは「現場への責任転嫁」だ | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン
あのねえ。「再教育」なんてやっても無駄だってことは最近あんなたちの一部になった三菱自動車の例でわかってるでしょ。
・完成検査員は、完成検査員が不足しているという現状について、管理者層に明らかにし、改善を求めることはなかった。むしろ、実際には補助検査員が完成検査を行っている実態を隠していた。
(中略)
・社内に違法行為など不適切な行為がある場合は通報する内部通報制度の存在は知られていたが、通報しても「是正されないのではないか」と認識されていた。
これは原因を列挙した中でのさりげない「真の指摘」である。この後に大量の対策が続くのだが、ここで指摘されている問題については全く無視されている。特に上記の1項目目「完成検査員が隠していた理由は何なのか?」についてスルーしているのは見事としかいいようがない。
つまり
「お前ら、人が足りないって言っても”現場でなんとかしろ”っていうだけでしょ?」
という現場の声が全く無視されているのだ。こりゃいかんわ。この問題の根源は三菱と同じく
「経営者の無能さを、現場の不正でカバーする」
というものだ。VWのディーゼルの不正はあきらかに経営者が画策したことだったが、こうした不正のあり方は真に日本的と言えるかもしれない。