エラい人の心持ち
2018-01-24 07:21
私の今の肩書きは「上席研究員」なのだそうな。つまるところはヒラである。雇ってくれる会社がなくなり自分で会社作って代表取締役になる可能性を除いては、まあ一生ヒラなのだと思う。
でもって
「エラい人」の心持ちというのは想像するしかないわけだ。豊臣秀吉は足軽から天下人になった後、自分の出自を改ざんしようとあれこれ試みたらしい。金も権力も握ってるんだから、そんなことどうでもいいじゃないかと思うがどうも偉くなってもそういう気分にはならないものらしい。というか尚更「どうでもいいことが気になる」ようだ。人間というのは面白いねえ。
もちろん現実世界で接点がある人にはそんな「エラい人」は一人もいないが、世の中にはちゃんと存在しているようだ。
「まさか天下のソフトバンクを率いる天才起業家の孫正義さんが、子飼いの茶坊主を使って『pepperの父』とかいう『あれオレ詐欺』をぶちかますとは思ってませんでした。そういえばサウジアラビアの10兆円ファンドと福島への義援金100億円はまだでしょうか、お待ちしております」
こうですか?
言っていることは幼稚園児の「僕なんでも知ってるよ」と同じレベルだからにやにやしていればいいのだが、その「俺が作った」という主張する様の滑稽さ、それが滑稽であることを認識できない愚かさ。偉そうなことを言い、一代で巨大企業を築き上げても人間というのは所詮バカなのだなあと再認識する。
でもって万年ヒラとしては、権力者の狂った現実認識と現実の間で苦悩する「最前線の兵士」に思いをはせる。
ソフトバンクの広報って、広報のエキスパートともいえそうな百戦錬磨ぞろいの印象があって、当然こんなお願いを出すことが不自然なことは百も承知なはずなので、これは、なんか広報的に止められない何らかの力が働いてこうなったんだろうなぁとか、色々と知りたくなる裏事情がありそう。
もちろんプロの広報なら本当のことはおくびにも出さないと思うが、その心中は察するに余りある。歴史が教えるところによれば、こうした「権力者の狂気」は年齢が上がるにつれひどくなるのだが。