人口比率で考えよう

2018-01-17 07:53

イスラエルは埼玉県と同じくらいの人口なのに新規産業の創出に関しては埼玉どころの話ではないとか、なぜ日本がサッカーでクロアチアに歯が立たないかとか今まで書いてきた。昨日こんな記事を読んだ。

ドミニカ共和国は、日本の人口の12分の1ですが、メジャーリーガーは140人くらい出ている。日本は昨年10人にも満たなかった。これはどういうことなんでしょうか? どんな分野によらず世界で通用する人材が必要とされている世の中で、日本の野球界がこれだけ遅れているのは事実です。

引用元:DeNA筒香「球界の変わらない体質」にモノ申す | 日本野球の今そこにある危機 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

この人の疑問はもっともだ。この事実をもって

「だからメジャーリーグのBaseballはダメだ。日本は独自の野球を築き上げたのだ!」

と叫ぶことができたのが、バブルの余韻があった2000年代初頭である。

日本の野球に関して言えば、彼が言っていることは正しいが正しくない。日本の野球はBaseballと似て非なるもの。しかしそれで収益をあげるシステムができあがっているから問題ない。

高校野球の目的は、世界に通用する立派な選手を作ることではなく、学校の宣伝である。プロ野球の目的も企業の宣伝。何人メジャーリーグで活躍するとかどうでもいい。そもそも勝利も大して目的ではない。

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この記事に関するSNSの反応をみると概ね好評のようだ。しかしこの「野球」に関する問題は日本の他の部分に当てはまらないか、と考えてみるのは有益だと思う。

新入社員にはお茶汲みをさせ、議事録をひたすらつくらせる。誤字脱字を徹底的に指導する。そうやてって「10年は泥のように働け」というマインドは新入部員に球拾いしかさせない部活動のマインドと共通する。冒頭の疑問に戻ろう。どうしてイスラエルはあのように革新的企業をたくさん生み出すことができるのか?なぜその10倍以上の人口を持つ我が国からモービルアイがでてこないのか?SNSで

「いいことをいう!日本の野球は問題だ」

と他人事のようにつぶやいている人間の大半はそれが自分の問題であることに気がついていない。