セールスについて学ぼう
2018-02-13 07:27
私には絶対向いていないという職種はいくつもある(そもそも何に向いているというのだ)その一つが営業である。
昨日(伏せ字29394文字)のためカーディーラーを回った。会社ごとにカラーがはっきりでて大変興味深かった。いろいろな話を総合すると自動車営業業界には「決算期」というものがあり、今はどうしても車を売りたい時期のようだ。
それが一番色濃くでていたのが日産だった。他のところでは聞かれなかった「予算はどの位ですか?」という質問があり、幅をもって答えたのだがその上限を少し超える金額をだしてきた。しかも「下取り費用」「下取り査定用の費用」などが数万円も含まれている。あんた客が乗ってきた車見れば1000円以上つかないことはわかるでしょう。それを下取り「してあげる」ために数万円客に払わせるとは。あと担当者は何度か「こちらも是非売りたいので」と繰り返した。そりゃそちらの都合としては今月のノルマを達成したいんだろうけど、それを客に言っちゃいかんよね。おまけに日産では途中で「営業主任」と「所長」が割り込んで名刺だけ渡して行った。なんというか「売り上げ増」に一生懸命なことは伝わってくるけど、それが顧客からみてどう感じられるかは少し想像するといいと思うよ。
もちろんお互い「商売」だから自分の都合をぶつけたい気持ちはあるだろう。しかし営業としてはそれを見せたらいかんと思うのだけどね。
もう一つ面白かったのが、日産とホンダで「整備パック」のようなものを勧められたことだ。(日産は問答無用で見積もりにいれてきた)二桁の万円を払うとこの先の法定点検、あと最初の車検の費用までが半額になるという触れ込み。しかしこういう正規ディーラーで車検を頼むことがいかに愚かな行為であるかということを過去に身をもって知っている。しかしこれは
「車をサブスクリプションサービスにする」
試みなのかもしれないな、と面白く聴いた。あと今だによく理解できない「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」というものがあり、それを一生懸命勧めてくる。思うにディーラーオプションの儲けはディーラーに入るとかそういうことなんだろうな。値段を見るとドライブレコーダーとかびっくりするような数字が並んでいる。こういうところで買うのがどれほど愚かなことかを学んだのはもう30年くらい前のことか。
ホンダは営業担当者の「自己紹介印刷物」を配った。きっとあれこれ工夫をしているんだろうなとうかがわせる。営業というのは、その成果が数字できっちりとでてくる数少ない職種。そりゃ個人で工夫するしかないよね。ちなみにホンダは「いや、決定権は全て奥様にありますから」と言ったら、チョコと毛布をくれた。こういう贈り物が主婦の心を掴むのに必要だと思っているのだろう。
トヨタのカローラ店は壁紙が一部剥がれていたし、そこらじゅうA4の張り紙だらけである。考えようによっては高級感を求める客はLexusにいくからこちらのほうが気が休まるということかもしれん。実際客層を見ると、店の雰囲気とマッチしている。それと対照的なのがマツダで、店内は黒で統一され展示車は全て赤である。営業担当者に聴いたら
「マツダからの指示で、黒を基調とした店舗は赤しかおいちゃいけないことになってます」
とのことだった。つまりデザインに対してマツダは明確な意図を発揮しているわけ。ちなみにこちらの名前を聞きもしなかったのはマツダだけだった。
そもそも我が家に車を購入する金があるのか、という深遠な問題は気がつかなかったことにして、こういう体験もたまにやるのは悪くないと思えた。生きていればどんな状況であっても「自分を売り込む」ことが必要になる。それの生きた教材を体験できるのだから。