判断・決断は危険(我が国においては)
2018-02-15 07:08
長年サラリーマンをやっていると、「処世術」というものについて考える機会が増える。「正しいことを言う」のは多くの場合危険である。「正しいことを知る」のは危険だが、語らなければ護身術に使える。「本音を語る」のもダメ。かくして首を垂れ黙って満員電車に揺られる日々が定年まで続く。
話を変えよう。私は社会人を「航空宇宙産業のエンジニア」としてスタートさせた。(そういいつつも、実際やっていたのがトラックの修理というのは内緒だ)そして日本の航空宇宙産業にあきあきした。米国がやることを10年遅れて「検討を始める」ことしかしないからだ。それから数十年たち、世紀も変わったがやっていることは当時と変わりない。たった30年だからねえ。
イーロン・マスクとジェフ・ベゾスという二人の狂人が、「自分で作った会社」でいずれもロケットを打ち上げているのというのは顎が外れるような事実だ。かの国にはそれだけ「航空宇宙関係のエンジニア」が豊富に存在していることを物語っている。それに加えて「決断するリーダー」がいる。
スペースXがロケットを再び使う計画を発表し、次々と実験を始めたのは、2012年。
イーロン・マスクの判断が全て正しいとは思わない。しかし彼はとにかく「ロケットは再使用したほうが経済的だ」と判断し、その方向に爆走した。その結果本当にロケットの再使用が可能となった。さて、我が国はその状況にどう反応しただろうか。
こうした動きなどを受けて日本でも宇宙政策を決める2014年の宇宙政策委員会で次期基幹ロケット「H3」のさらに次にくる2030年以降のロケットを検討するなかで、再使用型は選択肢の1つとして研究するべきという見解がまとまったということです。
その1年後の2015年、スペースXは、人工衛星を搭載した「ファルコン9」の1段目のロケットを逆噴射させ、地球に舞い戻らせて陸上に着陸させる離れ業を成し遂げました。
内閣府によりますとこうした成功などを受けて、日本でも具体的に研究を加速させることになり、新しい実験機を製造して来年にも再び実証実験に臨むことにしています。
最初に努めた会社を辞めたあと、別の会社で宇宙産業に携わる機会があった。しかしそれを見送った(その結果、さらにひどい判断をしたのだが、それは別の話)こうした状況を見ていると、その判断は正しかったように思える。結局アメリカ様がやって、実現させたこと以外何もしたくないのだ。
かくして今日の標題「判断・決断は危険(我が国においては)」という結論が導かれる。あれですよ。高速道路の「先行車追従型クルーズコントロール」みたいなもんで、前の車が加速したら加速する。減速したら減速する。これが安全かつ正しい日本のサラリーマンというもの。
そう考えるとあれだなあ。日本の家電メーカーというのは誰の真似をすればいいのかわらなくなっていたんじゃないだろうか。アメリカ企業は家電を作らなくなり(当時は)まさか韓国、台湾企業の真似なんかできないよね、といっているうち滅亡してしまったと。
---
免責事項:このブログに書いてあることは、私の個人的な妄想、グチ、放言であり、私が雇用契約を結んでいる企業の見解とはなんの関係も関連もこれっぽっちもないんです。