ボスの勘違い

2018-03-09 07:10

ここ数年ボスというポジションにいなかった。常にしたから上の人間を見ていたので、私は「エキスパートヒラ」と自称してもいいのではないか。その「エキスパートヒラ」からみるとこの調査結果には深くうなづけるものがある。

リーダーの70%が、自分は人を勇気づけたり、動機づけたりすることが得意だと評価していることである。これは、ほとんどの人が自分は運転がうまいと思っているのとよく似ている。

 従業員がリーダーを見る目は、まったく違う。『フォーブス』誌が発表したある調査では、上司を辞めさせられるなら昇給はなくても構わない、と答える従業員が65%に達している。また、2016年のギャラップのエンゲージメント調査によると、82%の従業員が、自分の上役に対して、基本的に退屈な人物だと見なしている。

引用元:リーダーは経営幹部のあり方以前に、人としてのあり方を学び直すべきである | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

つまり「世の中は裸の王様に満ちている」ということになる。私はこの調査を各国で行った結果がみたいと思っているが、まあそれは気にしない。

なぜ上司はかくも愚かになるんだろうか?

一つには上司という立場になった途端、誰も本当のことを言わなくなるということがあるだろう。ボスが言ったくだらない冗談には愛想笑いをする。米国のTVドラマ、Friendsでそれを扱ったエピソードがあったように思う。上司はそれをみて

「をを、私は部下たちを和ませている。いいリーダーだなぁ」

と思うし部下は

「ああ、上司はいつになったら自分にユーモアのセンスがないことに気がついてくれるのか」

と思う。

それだけが理由なのだろうか?「あのクソ上司が。俺がボスになったらあんなことはしないぞ」と決意している人間は、自分が上司になった途端それを忘れるということなのだろうか。

G.M.ワインバーグの本に繰り返しでてくることだが、自分を観察するのは難しい。自分を助けるのはもっと難しい。ほとんどの上司は助けを必要としているが、それを自覚することはとても困難だ、ということなのかなぁ。