CNET LIVE2018に行ったよ

2018-03-01 07:11

有料イベントなのだが、CNET LIVEというのに行ってきた。有料イベントなのに内容の薄さには驚いた。

まず富田 直美氏という人がしゃべる。ハウステンボスの経営再建をした人だが、典型的な「米国の会社社長を渡り歩いてきた人」と思う。やたらと威勢が良く

「あなたたちの常識を破壊する」

と断言するが、内容はあまりにも陳腐。AIで鍛えた藤井6段が、羽生に勝ったとか、1割る0は学校では計算できないと教えるが、実は無限大だとかまあなんというか粋がった小学生の言葉を聞いているかのよう。(私も小学生のころは、1/0は無限大だと思っていた)その証拠に彼がしゃべったことは「セグウェイを使っている」「あなたたちの常識を破壊する」以外何も頭に残っちゃいない。

最近特に思うのだが、会社の経営者というのは超一流は別としてある程度鈍くないとできない仕事だと思う。1割る0は無限大だーと顔を赤らめずに断言できるようでなければ、会社経営などできんということだろう。

あるいは経営者として成功すると、自分は偉大だと信じ込み、そして誰も「王様は裸だ」と言ってくれなくなるかあるいは言われても耳にはいらなくなるのか。そんなことを考えた。


次にNVIDIAの人が喋る。製品のまっとうな宣伝であり、何も学ぶところはない。他にNextremerという対話システムの社長とユカイ工学の社長がしゃべる。Nextremerはこんなことをやっているんだそうな。


 「この近くにソーキそばのお店があります」「『なんくるないさ~』をご存知ですか?」――。運転中の車内から、こんな話し声が聞こえてくる。それに対し、運転手や同乗者が質問すると、画面に映し出されたAIキャラクターたちが会話をしながらより詳しい情報を教えてくれる。これは、自動車メーカーの本田技研工業(ホンダ)が2017年11月から沖縄で実施している「ラジオDJ」の実証実験の様子だ。

引用元:ホンダ、運転中にAIキャラが“観光ガイド”してくれる実証実験--Nextremerら3社で開発 - CNET Japan

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引用元:CNET

この幼稚で下品なアニメ絵。今は20世紀か。サツキ・メイ・リンから10年以上経っているのに、なぜ今更こんなものを作れる。

公正に言えば、一件だけ面白く、あとまあまあな内容も一件あった。しかしこの2件のインパクトがあまりに強く、私は頭をくらくらさせながら家路につくことになる。

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しかし今日の講演は私にとって多くの学びがあった。

私はこうやってしたり顔で彼らの内容について指摘をすることはできる。しかしそれだけだ。このブログはだいたい50人くらいの人に読んでもらっているようだが、昨日出演していた人たちはその数倍の人にデタラメを吹聴できる。

つまり

私は誰もこない山奥の池に猫の死体を投げ込んでいるようなものだ。何もしていない。それが一番の問題だと改めて気がつかされた。