「まあ、いいように書いときますから」
2018-03-16 07:32
先日野球の始球式に出演したタレントが中学生の群れに押しつぶされそうになる事件が発生した。今日書きたいのは、それで明らかになった
「昔だったらこれで通ったんだろう」
について。
まず2018年3月10日18時52分の記事。
見守った球児たちも、球速表示以上に伸びのある高めの直球に感激した様子で、登板を終えると次々握手を求めていた。
いい話だなあ。そして昔なら、インターネットとどこにでも存在するスマートフォンがなかった時代はこれですんだはずなのだ。「こんなことがあったんだよ」は局地的に噂として語られるだけですぐ消えたはず。
翌日の昼にはこの記事が出る。[2018年3月11日13時46分]
関東地区の202チームの選手がマウンドを取り囲む中、美しいフォームを披露したが、感激した球児たちに取り囲まれるハプニングが発生。ネット上を中心に心配の声が上がっていた。
これでも「まあ囲まれるよね」でおしまい。しかし話はここでは終わらない。Youtubeに動画が公開されそれは「感激した球児たちに取り囲まれる」といったようなものではないことが明らかになる。二日後にようやくこの記事がでる。
日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟が、10日の開幕式で始球式を行ったタレント稲村亜美(22)が球児たちにもみくちゃにされた騒動について謝罪した。
ちなみにこの件に関して、被害者の稲村氏は「事務所のコメント」としてこう述べている。
選手たちが私のもとに駆け寄り握手を求めて来たところに、
参加選手の大半が流れ込んだ事は事実で、私もバランスを崩してしまいましたが、
私自身に怪我はなく押しつぶされたような事もありません。
ましてネットで一人歩きして書かれてるいような事(痴漢行為)は、
ありませんでした。引用元:稲村亜美 シニアリトルリーグ始球式 イベント報道に関して | 浅井企画|タレント・芸人・文化人 芸能プロダクション
Youtubeに存在している動画をみれば、そんなことではないことは明白だ。しかし事務所としては「こと荒立てず穏便に」するしかないのだろう。
稲村氏が個人としてどのように考えようが、Youtubeがなかった時代なら何も起こらなかったことにされていたはず。ネットの普及には功罪があるが、これは悪事を闇に葬ることなく顕在化させた点で、よかったと言えるのではないか。
そして集団で悪事をはたらいた少年野球兵、そしてそれを野放しにいしている人間がたくさんいる。その事実に私は恐怖を感じる。