スピーチするのだ

2018-03-22 07:16

娘の小学校の卒業式に出てきた。今は「答辞と送辞」もないし、仰げば尊しに蛍の光もない。昔と変わらず存在しているのは

「退屈な校長+来賓のスピーチ」である。

過去卒業式で何度もスピーチを聞いたと思うが、覚えているのは大学卒業式の「大正からある学科ですが、この度初めて女性の卒業生をだすことになりました」という言葉と、小学校だが中学校だかの校長挨拶がとんでもなくつまらなかったことだけである。(脳細胞がどうのと言っていたこと以外全部忘れた)

聴きながらあれこれ考える。この人たちも昔は校長の退屈なスピーチを聞かされうんざりしたはうだ。なのに何故自分が同じことをするのだろう。しかしそのうち気がついた。この人たちが喋る内容は

「これを伝えたい」

ではなく

「これを言っておかないとまずい」

でできている。とにかく「おめでとう」という。がんばってね、という。来賓の皆様、保護者の皆様、あと感謝を言葉を述べる相手を忘れてはいけない。とにかく羅列する。

といったところで時間切れ。ああようやく終わった。

映画グリースの校長のスピーチは今でも覚えている。あれくらいできないものかなあ。面白いことを喋ったら鞭打ちとかそういう法律でも施行されているんだろうか。あるいは無意味な言葉を臆面もなく並べるという才能なしには校長にはなれない、ということなのだろうか。

それに対して生徒は代わる代わる言葉を述べたり、歌を歌ったりする。そういうどうでもいい歌じゃなくて、手を叩き、足をふみ鳴らしながらラップで歌うとかさ。まあ「安全第一」になるのもわかるけど。