瞑想の混沌

2018-06-12 07:03

私は「これだけは人に負けない」というものがたくさんある。たくさんありすぎて困るほどなのだがその中の一つに「無駄な心配をする」というものがある。

というわけで、仕事のストレスがたまると最近座禅を組んだりあれこれする。瞑想を仏教から切り離した人は、仏教関係者にとっては不倶戴天の敵だろうが、私にとってはありがたい。座禅とかヨガとかいうと胡散臭さがつきまとうが、マインドフルネスといえば少しましな気がしませんか?

座禅・瞑想がうつ病を始めとする心の病に効果があると実証されたのは最近のことだ。マサチューセッツ医科大学の分子生物学者、ジョン・カバット・ジンの功績が極めて大きい。真摯(しんし)な瞑想実践者でもあったカバット・ジンは、仏教の文脈の中にあった瞑想のテクニックだけを分離し、「マインドフルネス・ストレス低減法」(MBSR)という8週間のプログラムにまとめ、1979年、慢性的な痛みやストレスを抱える患者に適用を始めた。

引用元:脳科学の最前線を行く—飛躍的に進む瞑想研究 | nippon.com

でもって

それについて調べてみると、「百花繚乱」であることがわかる。瞑想の種類だけでもいろいろ流派があり、さっぱりわからない。ネットで検索すると、怪しげな記事に「あたしはこう思うんです」というやたら行間が多いブログと「マインドフルネスは座禅と比較して」みたいな仏教関係者の文章が混じる。まともな記事もたまにはあるが、それでも見解が一致しないことには変わりがない。

というわけで、あれだ。今なら独自の瞑想理論を打ち立てうまく宣伝すれば「教祖」になれるかもしれない。いや、ここで「教祖」にしてはいかんのだな。

そもそも個人的に瞑想をして悟り得たゴータマくんに、どういう経緯で超能力が授かることになったのか。その歴史を知ることはなかなか興味深い作業だ。というわけで私が

「作家兼瞑想道の開祖」

と名乗ったら、三千年後くらいには私にもスーパーパワーが備わっているかもしれない。そして葬式のたびに名前を何度も呼ばれるのだ。

世の中にはびっくりするほどたくさんの「学会」が存在しており、「日本マインドフルネス学会」もちゃんと存在している。そこはどんな雰囲気の場所なのか。やはり混沌が混沌をよんでいるのか、あるいはなにか「日本マインドフルネス学会推奨の瞑想方」が語られているのだろうか。