太陽光発電の未来

2013-12-19 20:07

新幹線によくのる。外を見るたび、放置された農地が太陽光発電パネルに覆われていくような気がする。住宅用太陽光発電の仕事をしていたのは何年前のことだったか。

今や住宅の屋根よりも、そこらへんの空き地が太陽光パネルに覆われる状況である。あのまああの会社が太陽光パネルを生産していても、中国製に勝てなかっただろうから、撤退は悪い判断ではなかったのだろう。というか今そこらへんに設置されているパネルってどこ製なんだろうね。

それはそれとしてあのパネルを見るたびに思うのだ。これは一体なんの役にたっているのか、と。

5月後半には日差しの強い日が続き、太陽光による電力が送電網に溢れる事態に陥った。これによって電力の価格が急落したことから、カリフォルニア州は再生可能エネルギーによる発電量を抑えるようよう命じた。

その結果、なんと95,000MWという膨大な量の電力が無駄になってしまった。送電網を運用するカリフォルニア独立系統運営機関(CAISO)によると、これは「3,000万世帯に1時間分の電気を供給できる量」に相当する。

引用元:電力が供給過剰に? 太陽光発電の急成長がもたらす「新たな問題」|WIRED.jp

電気は安価に貯蔵できない。これが大きくて、かつ本質的な問題だと思うのだが、「二酸化炭素増加による地球温暖化」の声に比べるとほとんど語られることはない。結果先ほど引用した記事の後ろにはこんな曖昧な言葉が並ぶ。

当然ながら解決法は複雑なものになるだろう。それでも、政策やインフラ、イノヴェイションなどの領域における対応や大規模な投資は、再生可能エネルギーと化石燃料という「ふたつのエネルギー」に分断された世界の問題解決につながる可能性がある。

引用元:電力が供給過剰に? 太陽光発電の急成長がもたらす「新たな問題」|WIRED.jp

解決策は見つからないまま、空き農地が太陽光パネルに覆われる。夏のクーラーのピークカットには確かに役立つに違いない。しかしそれ以外の季節はどうする。他の発電施設を減らして、空が曇ったら誰が面倒をみてくれるのか。

時々思う。今から十年、二十年後あのパネル群はどうなっているのか、と。それを私が見ることができるかどうかは別問題だが。