イノベーションのジレンマ

2018-08-30 07:07

ここで述べたいのは、有名なクリステンセン教授のそれではなく、プライベートバージョンのほうである。すなわち

「会社は声高にイノベーションを語るが、ではと新しい提案を持ち込むとすべてボツになる。しかもその理由がよくわからない」

というものである。「酒もってこい」と言われたので持っていくと、何を持っていても「これじゃない」「これはちょっと違う」と言われる状態。そうこうしている間に、隣の客が拒絶された酒で大にぎわい、というのもよくある話。

原因は単純で、日本では経営者がイノベーション(に限らずあらゆる変化を)を(本音では)拒絶しているから。つまり日本の経営者が無能だから。ちなみに私は一生絶対経営者にならないから言いたい放題である。

さて

私がそんなことを言ってもなんの説得力もない。というわけで他人の言葉を引用する。

4つ目が一番難しいのですが、経営陣や役員クラスで、自らリスクをとって、アイデアが事業に成長するまで、困難に一緒に立ち向かい、イノベーターたちを擁護する存在です。「なぜ優秀な人材を芽も出ていない事業に使うのだ」「資金を使いすぎだ」といった社内外の雑音からイノベーターたちを守る「ガーディアン(守護神)」です。この役割の人がいないと、いくら1,2,3の人たちが目覚ましい働きをしても、イノベーションは頓挫してしまうことが多いのです。

 大企業には1,2,3になりうる人はかなりの数がいると考えていますが、4は稀少です。

引用元:日本企業はどのようにしてイノベーションを活性化すべきか ――東京大学大学院経済学研究科特任教授 半田純一 | DHBRインタビュー|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

つまるところ、経営者の立場からイノベーションを推進する人がいない限り、どんなアイディアをだそうが時間の無駄に終わる。

いや、いまとある事情で「イノベーションの出し方を学ぼう」みたいなところにいかされているのだが、そこでうっかり

「ここに経営者の方はいますか?いないならこれは全部時間の無駄です」

と言ってしまわないか自分でひやひやしてるんですよ。最近歳をとったせいかこういう軽率な発言をしがちでねえ。