戦うSEC
2018-10-02 07:26
金が動くところでは、「フェアな戦い」をするべき。であるから、アンフェアな行動をしたプレイヤーには容赦なく戦いを挑む。この「フェアな戦い」というのはアメリカで何度か見られるキーワードだと思っている。
日本の株式市場もこうであって欲しいものだ。忖度とか根回しとかなしでさ。
今回の「420(マリファナを吸う意味)ドル」ツイートの事実調査に乗り出したときのSECの究極の目的はイーロンに無責任極まりないツイートをやめさせることだった。だから2名の取締役を送り込み、かれらに全てのイーロンのコミュニケーションを事前承認させるというのがSECの最終的狙い。それは達成。
引用元:広瀬隆雄さんのツイート
狂人イーロン・マスクに対してSECが戦いを挑み、そして終戦させるまでの素早さには正直驚く。東芝を当然上場廃止すべきにも関わらずぐだぐだとやっていた日本とは大違いだ。
日本でこういう事件がおこれば「だから日本は革新の目をつんでしまってけしからん」という論調が必ず出てくる。おもしろいことにかの国で同じような論を振り回すひともいるようだ。
イーロン・マスク会長兼最高経営責任者(CEO)が今年8月、自社の株式非公開化を検討しているとツイッターに投稿したのは、交際相手の女性を感心させるのが狙いだった──米証券取引委員会(SEC)にそう判断されたマスクは、その“誤った”つぶやきのおかげで、2000万ドル(約22億7700万円)の罰金を支払うことになった。
だが、実際にツケを払わされることになったのは、私たち全員だ。
この人の弁によれば、マスクのTwitterでの発言によって世間はイノベーションに関心を持ち続けているのだそうな。だからマスクのTwitterでの発言がおとなしいものになれば、世間はイノベーションに対する関心を失う。だからツケを私たち全員が払う、と。
こうした議論は別として、マスクとその周辺はこれから彼の革新的な部分と暴力的な部分のバランスをとることに苦労し続けるのだろう。
戦時のCEOは戦闘が治って来たら退任しなくてはならない。Teslaがまだ戦時のCEOを必要とするのか、あるいはもっと地に足がついたCEOがしきるべきなのかはまだわからない。