やらないとわからないこと
2018-11-15 07:20
何度か書いたが、日本には人工知能芸人と私が勝手に呼んでいる人間が複数おり、景気のいいことを吹聴している。そうした声と比べてこの言葉の重みはどうだろう。
「実に難しい。実際にそうした状況に身を置いて、やってみようとするまで、自分が分からないことは何なのかも分からない」(Krafcik氏)
これはGoogleの親会社Alphabet参加のWaymoのCEOが述べた言葉である。Googleが自動運転の研究を始めたのは随分前だ。そして彼はこうした悟りに達したらしい。
Krafcik氏によると、ドライバー不要の自動車は「確かに実現している」が、まだ広く普及する段階には至っていないという。そして同氏は、この業界が今後、どの季節でも、どんな天気でも、どのような条件下でも運転できる最高レベルの運転技術を達成することは決してないだろうと考えている。
もちろん予想というのは、常に不正確なものだ。しかしこの言葉には実際に難題にぶつかった者のみが語れる重みがある。
「わからないことすらわからない」人工知能芸人はこうした言葉をあっさり回避する。様々な言い訳を使って。しかし現実はそれでは動かない。
となると自動運転技術の次の焦点は
「常にサボろうとする人間を、サボらせずにどうやってアシストするか」
になるわけだ。これまた難題だけど。