人工知能芸人列伝-東大松尾准教授(農業編)

2019-02-20 07:04

人工知能に関して、景気のいいことを吹きまくる芸人がたくさんいる。それが金になるからなのか、あるいは本来の性格としてそうなのか。

東大の准教授がこういう景気のいいことを言っている。

これらが可能になった背景には、画像認識という「目」が人工知能に誕生したからです。目が見えると、農業、建設、食品加工など、基本的に人間が目で見て作業をしていたことを、ロボットや機械ができるようになります。

例えばトマトを収穫する際に、ロボットが「いいトマト」と「そうでないトマト」を見分けることができるようになりました。ロボットを使えば、大幅なコストダウンになりますし、病気の判定もできます。さらに進化すれば、ほぼ100%機械化されたトマト農場を、そのまま海外に輸出することもできます。

引用元:松尾先生、人工知能と広告の未来はどっちですか?(前編) | ウェブ電通報

「ほぼ100%機械化されたトマト農場」という言葉に私は息も告げないほどだ。さすが東大の准教授になると簡単に言ってくれるねえ。ディープラーニングさえあればトマト農場なんて簡単さ!

こうした芸人を観察するのは楽しいが、実際的な意味はほとんどない。実際にディープラーニングの技術を携えて中国の養豚業近代化に取り組んだ青年たちの姿を見よう。

しかし、アリクラウドと20名のエンジニアチームは現状を見て失望した。どこから手をつけていいのかわからない。エンジニアチームが麻衣村に到着した最初の晩、チーム内は大ゲンカになったという。人工知能を応用するにもデータを収集するデバイスが何もない。こんな不衛生なところで働くのも嫌だった。騙された、できるわけがない。エンジニアの誰もが弱音を吐いた。

引用元:人工知能が豚を育てるIoA。四川省の養豚場にET産業ブレインを導入 - 中華IT最新事情


養豚場で大げんかしながらも、成果をだしつつあるエンジニアチームを私は尊敬する。松尾准教授も一度こういう思いをした後に「ほぼ100%機械化されたトマト農場」と発言するのならその言葉に重みもでてくるのだが、今は芸人にすぎない。